4部分:第四章
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第四章
「今度はそっちか」
「こっちに来い」
マオイはまたククに対して言います。
「僕はこっちだぞ」
「言われなくてもな」
ククもマオイのその言葉に応じます。
「言ってやる。そしてここでな」
「どうするんだ」
「鮫の力を見せてやる」
こうマオイに言うのでした。
「海じゃ鮫の方がずっと強いってことをな」
「そう思うのなら来い」
「ああ、行ってやるさ」
「こっちだ」
マオイの言葉に完全に乗ってです。ククもその岩と岩の間に向かいます。けれどここで。
マオイはすっとです。上にあがったのです。岩と岩の上にです。
「えっ!?」
「さあ、やったぞ!」
そのマオイの動きに驚いたククにです。マオイは勝ち誇った声で言ってきました。
「クク、ぎゃふんと言え!」
「どういうことなんだ。一体」
マオイは何かあると察しましたが急には止まれません。そしてです。
自分が突き進むその岩と岩の間にです。あるものが拡がっているのが見えました。それは。
網でした。何重にもなった網がそこにあるのでした。そしてククはそこに。
突っ込んでしまいました。そのまま動けなくなります。ククは大慌てで言うのでした。
「な、何だよこれって」
「色々考えたんだけれどさ」
マオイは頭から網に突っ込んで動けなくなってもがくククに対して言ってきました。
「人間は道具を使えるじゃない」
「それがどうしたんだ」
「だからだよ。それでククをぎゃふんと言わせようってね」
「それでこの網だっていうのか」
「そうだよ。ククを怒らせてここまで連れて来てね」
「俺をここに突っ込ませてか」
「そういうことだよ。本当に上手くいったよ」
マオイはにんまりとして言いました。
「こうしてね」
「糞っ、してやられたな」
「それでだけれど」
マオイはそのにんまりとした顔でククに尋ねます。
「言う?ぎゃふんってね」
「そのことか」
「鮫っていつも泳ぐんだよね。泳げないとどうなるの?」
「その時は大変だよ」
ついつい言ってしまったククでした。このことを。
「死んでしまうんだよ、鮫はそういう生き物なんだよ」
「じゃあ言えるね。あの言葉」
「ぎゃふんってか」
「そうだよ。僕が勝ったんだから」
「ああ、言うよ」
ククはもがきながら苦しい顔で言葉を返しました。
「ぎゃふんってな」
「今言ったね」
「聞いたな」
「確かにね。それじゃあね」
「いいから早くこの網何とかしろ」
ククは少しずつ苦しくなっています。
「さもないと死んでしまうだろ」
「わかってるよ。それじゃあね」
マオイは勝ち誇りながらククの網を解いてあげるのでした。ククは自由になってから忌々しげに彼に対して言うのでした。
「ったくよ、鮫が海の中
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