三度目
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れでどうかと思うし、ここらで離れてみるのもいいかな・・・と思い始めている。
皆優しいからな。
何も言わずに黙っていてくれるだろう。
少し心苦しいが、その時はその時だ。
俺はもう二度とあんな光景を、そしてあんな思いをみんなにさせたくないしな。
で、そんな放課後。
偶然雪菜を見かけたので、声をかけてみた。
「あ、朝の人・・・」
「上元だ。上元京介」
「あ、私は持上雪菜っていいます。一年生です!」
知ってる。
まあ、言わないが。
「あの後は大丈夫だったか?」
「はい!ぎりぎりセーフでした!」
「そうか。それはよかった」
ここで俺が助けなければ雪菜はクラスの女子に目を付けられ、いじめの標的にされていたらしい。
そこからは地獄の日々を必死に利英と耐えている毎日だと利英は言っていた。
どこまで本当かは知らないが、いずれにしろ今度はちゃんと向き合っていこう。
「ま、色々あると思うが、頑張れよ」
逆の方向から来て鉢合わせしたような感じなので、すれ違うようにして去る。
とりあえず去り際に頭を少し撫でておく。
うん、やっぱりこの撫で心地ハマるわ。
「じゃあな」
雪菜は頭を押さえて少し呆然としていた。
が、すぐに赤くなって俺とは真逆の方向へと走り去っていった。
「・・・京介」
最近私のことをあんまり見てくれなくなった。
しかも、避けているかのように。
・・・私京介のこと怒らせちゃったかな。
「よっ」
「ひゃあっ!?あ、京介・・・」
「何してんだよ、んなとこで」
突然京介が現れたからびっくりする。
・・・もう完全に錆びついちゃってるわね。
近々デカい任務があるっていうのに何平和ボケしちゃってるのよ。
「んーと・・・被写体の観察?」
「ものなんてどこにもねえじゃねえか」
「わかってないなー京介はっ!」
指をチッチッと振り、少し解説してあげようと思う。
「いい、被写体ってのはものに限らず、そこにある風景でも別に・・・って逃げるなー!!」
なーんだ・・・。
京介は京介だ。
別に私のことをさけているとかそんなんじゃなかったんだ。
単純に私の思い過ごしだったんだ。
そういえば、雪菜には両親がいない。
紗由利さんや想夢、利英にも両親がいない。
確か京にも・・・いや、京はいたんだっ
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