2部分：第二章
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第二章
「お父さんとお母さんだってそうだろ？それは」
「まあそれはな」
「その通りだけれどね」
それはお父さんとお母さんも同じでした。二人もククの悪戯、具体的には魚を取られたり船に体当たりされたりしてです。困っているのです。
それでマオイのその言葉を聞いてです。こう答えたのです。
「あんな悪い鮫はいないよ」
「私も見たことがないわ」
「だからだよ。それでどうしたらいいかな」
また言うマオイでした。
「本当に」
「海で鮫をねえ」
「ぎゃふんと言わせるなんて」
「無理かな」
またお父さんとお母さんに尋ねます。
「それは」
「ううん、鮫をか」
「それも海の中で」
「やっぱり無理？」
マオイは二人が中々答えないので不安になってまた尋ねます。
「それって」
「いや、鮫か」
「鮫よね」
二人はマオイを困らさせない為にです。顔を見合わせ合ってそのうえでこう言うのでした。
そしてです。マオイに対しても言いました。
「どんな人間でも動物にも弱点はあるよ」
「無敵の存在なんていないのよ」
「それは鮫よだよね」
マオイはその鮫のこともは為しました。
「鮫だって海の中でも」
「うん。ただね」
「鮫はいつも海の中にいるから」
弱点は、というのです。
「あればいいんだけれどな」
「どうなのかしらね、それはね」
「えっ、ないよ？」
「いや、銛で刺せば死ぬよ」
「それはね」
そうすればだといいます。
「けれど。鮫は泳ぐのも速いし」
「そうするのだって一苦労よ」
「そうだよね。僕も泳ぐのは速いけれど」
マオイは泳ぐことがとても上手です。けれどです。
「いつも海の中にいる訳じゃないから」
「そう、それだよ」
「それなのよ」
二人が言うのもこのことでした。
「人間は陸にいて鮫はいるな」
「それぞのれ場所が決まっているから」
「相手の場所で何かをしてもな」
「簡単にはいかないわよ」
「それにだ。ククは鮫だ」
「それも問題なのよね」
お父さんとお母さんはさらに言うのでした。
「鮫は寝ても起きても泳いでいるからな」
「もう泳ぐのでは誰にも負けないわよ」
「そんなのを海でぎゃふんと言わせるとなると」
「ちょっとね」
「そんなの難しいんだね」
マオイはお父さんとお母さんに言われてそのうえで困った顔になりました。
それで、です。あらためて考えるのでした。
「あいつに勝つのは」
「うん、まあ鮫は道具を使えないけれどな」
「それは人間が使えるけれどね」
「道具？」
お父さんとお母さんの今の言葉はです。マオイの心に残りました。
そして、です。こう考えるのでした。
「じゃあその道具を上手に使えば」
「何とかなるかも知れないね」
「そうしたら
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