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熊の右手
2部分:第二章
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が子のその言葉を聞いて笑顔になりました。そしてそれと同時にです。
 子供の頃にお母さん熊に言われたことを思い出しました。そうして。
 ついつい笑顔になってしまいました。それを見てです。 
 子供熊がです。彼に尋ねるのでした。
「お父さんどうしたの?笑ってるけれど」
「ああ、ちょっとね」
 ミーシャは笑顔のまま子供に答えます。
「思い出してね。お父さんの子供の頃をね」
「その頃のことをなんだ」
「そうだよ。御前も大人になったらわかるかもな」
 我が子にこんなことも言いました。
「その時にね」
「そうなんだ」
 そのことはまだわからない子供熊でした。けれどミーシャは笑顔のままでした。自分が子供の頃のことを思い出してです。そのうえでなのでした。


熊の右手   完


                   2011・3・22

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