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強さとは
第四章
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「おい、何だ御前」
「俺達の仲間に入りたいのか?」
「それとも貢ぎものでも収めに来たってのか?」
「どっちでもない」
 徐達は男達に平然として答えた。
「わしは御前達を成敗しに来たのだ」
「はっ、何言ってるんだこいつ」
「俺達を成敗だと!?」
「一人でかよ」
「何言ってるんだよ」
「御前達のことは聞いている。容赦はせぬ」
「おい、たった一人でか」
「俺達を倒すっていうのか?」
 賊達は徐達の言葉を聞いて嘲笑って返した。
「冗談きついな」
「俺達は三十人だぞ」
「それを幾らガタイがいいからって一人で倒せるかよ」
「馬鹿言ってんな」
「じゃあ返り討ちにしてやるからな」
「覚悟しろよ」
 男達は笑ってだ、そのうえで。
 それぞれの得物を手にだ、徐達を囲んでだった。
 そうして襲い掛かろうとする、だが。
 賊の一人が一歩踏み出したそのところでだ、徐達は。
 その手に持っていた鉄の鞭でだ、その賊の頭をだった。
 割ってだ、そして。
 そのうえでだ、他の賊達もだった。
 鞭で次々に撃っていく、賊達は徐達の鞭の威力の前にだった。瞬く間に倒されていった。彼等は数を頼んで攻めたが。
 徐達の敵ではなかった、一人もだった。
 そしてだ、気付けばだ。
 賊達は全員倒れ伏していた、殆どの者が頭を割られこと切れている。だがかろうじて虫の息で倒れ伏している男が徐達に仰向けに倒れた状況で問うた。
「貴様、どれだけ強いのだ」
「そう言うか」
「鬼神か、俺達全員を瞬く間に倒すとは」
「どれだけ強いかというのか」
「化けものか」
「化けものではない、御主達が弱いだけだ」
 徐達は至極当然といった顔でだ、男に答えた。
「拙者が強いのではない」
「違うというのか」
「そうだ、御主達は数を頼んで暴れているだけの賊」
 それが男達だというのだ。
「その様な者弓矢だの火薬だのなければな」
「所詮はか」
「左様、何ということはない」
「三十人はいたというのに」
「所詮烏合の衆に過ぎぬ」
「では貴様は何だ」
「拙者は御主達の様に群れて得物を手に何も出来ぬ村の人達を襲いはせぬ」
 軽蔑を込めてだ、徐達は男に告げた。
「武芸を磨き兵法を学んでおるのだ」
「だからその鞭もか」
「身に着けた、御主達なぞ楽に勝てる」
「それでか」
「拙者一人で来た、何ということはなかった」
 それでだ、一瞬で倒せたというのだ。
「拙者はこれでも大志があるからな」
「その大志は何だ」
「この乱れた天下を正し泰平をもたらす」
 まさにそれがというのだ。
「御主達の様な者達に人々が苦しめられぬ人がいなくなる世に戻す為にか」
「その為に鍛えているからか」
「御主達なぞ何ということはない」
「そう言うのか」
「そうだ
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