例えば箒にはこんな未来があったんだろ
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有名になっちゃってるし。
「ありがとう、本当にうっかりしてたよ!じゃ、この事を早速ジェーンに……」
「……ってこら待て待て待てぇぇぇぇッ!!本題はそこじゃないぞ、そこじゃ!!」
え!?まだ俺に見落としが!?馬鹿な……やはりオウカがいないと駄目だというのか!
「お前は!私が!何のためにわざわざここに呼びだしてそんなものを渡したと思ってるんだ!!このマヌケ大泥棒!!」
「ひどっ!?それに俺別になにも盗んでないし!!」
「盗んでなくとも預けた物があっただろうが!!!」
「……………あ、箒ちゃんの初恋!?」
正直とっくに返した気になっていた。というか、普通もう返したも同じだと思うだろう。ぶっちゃけ俺が預かっててもしょうがないものだし。だってこれ元々おりむーに向けてたものだよ?俺が持っててどうすんのって感じだ。
その……ひょっとして箒ちゃんが俺に向けて……ってのは考えなかったわけじゃないけど、それも結婚で消えたものと思っていた。
「えっと……つまり、俺はどうすれば?」
「預けた初恋がな………時間が経ちすぎて、熟成してしまったんだよ」
「はい!?」
「つつつつまりだな……も、もう初恋じゃなくて『愛』になっちゃったんだよ!お前にあげた初恋が!!」
箒ちゃんは顔を真っ赤にしてそう叫んだ。
この流れは、まさか――頭の中で『草案』、『愛』、『重婚』が一つのラインで繋がっていく。
そうか、分かったぞ俺にも!
「つまり改めておりむーに告白する勇気が出来たから愛を受け取りにアブフォッ!?」
「馬鹿ぁぁぁぁぁぁーーーーーーッ!!」
怒りの鉄拳を喰らって吹き飛ばされた俺は地面をごろごろ転がった。
数分後。
「ごめん、勘違いして……」
「いや、私の方こそすまん。言葉を尽くせばよかった……」
真赤に腫れた右ほおに冷たい缶ジュースを充てながら、俺は箒ちゃんに膝枕されていた。
なんか家族以外に膝枕されるのって初めてな気がする。しかも俺って家の中じゃしてあげる側の方が多いし。主にオウカと弟と子供たちと、時々おかん。
箒ちゃんが愛を渡したいのは、紛れもなく俺だったみたいだ。
「本当に良いの?俺んち騒がしいし……たぶん三番目になっちゃうし……」
「今よりは100倍良い。それとも、こんな暴力女が嫁ぎに来るのは嫌か?」
「――正直、最近の箒ちゃんって昔みたいに楽しそうに笑わないから気になってた。俺が笑顔にさせていいのかな」
昔は怖かった。女性の想いに応える事が。
でも最近は、もっと笑顔にしたいと思っている。笑ってくれるのを待つのではなく笑わせに行きたい。もし、俺への想いの所為でまた箒ちゃんが前に進めないというのなら……まぁオウカとジェーンさんがなんて言うか分
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