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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico32大嵐の前の軽風
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の方が上の砲身よりちょっと短いかな。近くに展開されてるモニターには人だかりが出来てる。アレにこの大砲の説明が書いてあるんだと思う。

「懐かしいな、コレ」

その大砲の説明を読むために移動しようとした時、ヴィータちゃんがそう呟いたのが聞こえた。リインが「知ってるです? ヴィータちゃん」って訊ねる。私たちみんながヴィータちゃんを見詰めて、「まあな」って遠い目をするヴィータちゃんが話し出すのを待った。

「・・・・」

けどヴィータちゃんは無言。あれ?って思ってると、ヴィータちゃんがスタスタ歩き出したから「あれー!?」話してくれるのかと思ってた私たちは声を上げた。ヴィータちゃんはそんな私たちのリアクションに「んあ?」小首を傾げるだけだった。

「あのですね、ヴィータちゃん。この大砲のことを知ってるんですよね」

「ああ、まあな。実際にやり合ったことがあんよ。つうか、このミナレットっつう大砲のデカさはこんなもんじゃなぇよ」

このミナレットって大砲は、オーディンさんを主としていた頃の物なんだね。ヴィータちゃんの穏やかな表情から見て、嫌な思い出の中じゃなくて良い思い出の中での出来事だ、っていうのが判った。ヴィータちゃんと一緒に私たちはミナレットの説明モニターを観る。

(目の前のミナレットは縮小サイズのミニチュアなんだね)

本来の大きさは砲身だけで100m越えの巨大さになる、古代ベルカに栄えた大国イリュリアが使用した二段式砲台。魔力砲と、その魔力砲を拡散させるための反射鏡砲弾を発射できる。魔力砲を拡散させて周囲への被害を大きくする。

「ヒデェもんだったよ、コイツのもたらした被害ってのは。拡散した砲撃は無差別に村や町を焼き払った」

その当時のことを思い返してるのかヴィータちゃんの表情に怒りの色が浮かんだ。けどすぐに「ま、オーディンがサクッと破壊してくれたけどな」ってニッコリ笑った。次に見たエテメンアンキって言う、成層圏から地上へ向けて砲撃を放つ、悪魔みたいな兵器も「コイツもオーディンが破壊したんだぜ♪」自分の事のように誇らしげに話してくれたヴィータちゃんが微笑ましかった。

「ホンマ、ヴィータはオーディンさんの事が好きなんやな♪ 今の家主としてちょう嫉妬するくらいやわ〜」

「す、好きと言っても家族として、主として好きだったんだよ、はやて! あ、あたしが、オーディンに恋してたなんて、そんな馬鹿なこと・・・!」

「えっと、そのつもりで言うたんやけど・・・」

「ヴィータちゃん、オーディンさんに恋してたです?」

リインがそう訊くとヴィータちゃんは顔を真っ赤にして口をわなわなと振るわせて「んなことねぇし!」腕を組んでそっぽを向いた。なんて言うか可愛い。みんなでヴィータちゃんを微笑ましく眺めてると、「ハ
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