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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico32大嵐の前の軽風
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踏ん張りきれなかった。でも・・・

「すずか!」

ギリギリのところでジョン君が私の腕を取って、「わわっ!?」抱き寄せるように起こしてくれた。片手にカリーヴルストのお皿を持ってるとは思えないほどの力強さ。私の頭はジョン君の胸に抱きかかえられるような状態になって、一気に顔が熱くなった。頭の中が真っ白になる。

「大丈夫? すずか。仰向けに倒れると結構危ないんだよ。護身術としてルシルに格闘技を習って知ったんだけどさ。・・・すずか?・・・おーい」

ジョン君からの呼びかけに答えられないほどに真っ白。だけどなんとか「大丈夫だよ、あ、ありがとう」お礼だけは言えた。ジョン君は「ん!」とても嬉しそうに、誇らしそうに微笑んだ。

(うぅ、こんなにドキドキするなんて・・・)

こんな感情は初めて。だけど、その正体は知ってる。これまでずっと見てきたから。でも、自分がそんな感情を抱くなんて思いもしなかった。そんなドキドキしっ放しのまま、白いソーセージ――ヴァイスヴルストや仔牛のカツレツ――シュニッツェル、挽肉や野菜・スパイスを長方形に固めて蒸した物をパンに挟んだ――レバーケースゼンメルなどを購入。そして集合場所に戻った。

「おかえりなさい、すずかさん、ジョンさん」

「ど、どうしたですか、すずかさん!? お顔が真っ赤です!」

ベッキーちゃんとリインが迎えてくれた。そしてやっぱりツッコみを入れられちゃった。私は「ううん。なんでもないよ」って、そう返すことしか出来なかった。だって恥ずかしいから。ベッキーちゃんは、私とジョン君の間で何かあったって察したようで優しい微笑みを返してくれて、リインは「そうですか」深く訊くことなく、私とジョン君がテーブルに置いた料理に目を輝かせた。

「「お待たせー!」」

「お待たせや〜」

「あたしとはやてが最後か」

なのはちゃん達も戻って来た。テーブルに置かれる数々のベルカ料理。とても良い香りがして食欲がそそられちゃう。そうしてみんなで1つの料理を分け合うようにして食べ始める。楽しくお喋りしながら食べるんだけど、テーブルを挟んでの向かいに座るジョン君と目が合うとさっきのことを思い出して顔が熱くなる、を繰り返すことになっちゃった。

「すずか。僕、なにかした?」

「え・・・?」

ジョン君の表情に陰りが出来た。違う、そう伝えたいために首を横に振った。そして「違うよ、ジョン君」微笑みかける。私が照れている所為でジョン君を悲しませてる。

「ジョン君の所為じゃないよ。私自身の問題。だからそんな悲しそうな顔をしないで」

「そっか! うん、すずかがそう言うんだからそうなんだよね!」

満面の笑顔を浮かべてくれたジョン君は「それじゃあ・・・はい、あーん!」みんなが見てる前でまたポテ
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