第七章
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「これでね」
「終わったんだな」
「もうこの洋館は何もないわ」
「鬼がいなくなったんだな」
「そうよ、安全よ」
微笑みだ、王に話すのだった。
「だから安心していいわ」
「そうか、じゃあ報酬はな」
「口座に振り込んでおいてね」
「今振り込ませてもらう」
早速だった、王は。
携帯を取り出して連絡をした、そのやり取りが済んでから沙耶香にあらためて言った。
「後は確認してくれ」
「そうさせてもらうわね、ではね」
「仕事が終わったからか」
「もう帰らせてもらうわ」
沙耶香は悠然とした笑みで王にまた答えた。
「日本にね。その前にね」
「上海で遊ぶか」
「飯店でお料理を楽しんで」
「女の子もか」
「いい娘はいるかしら」
「うちの娘程じゃないが上海にも多いさ」
可愛い娘がというのだ。
「何なら紹介するが」
「貴方のお手つきかしら。他の人の恋人を抱くことも好きだけれど」
「ははは、悪いな確かに」
「仕事前に言った通りよ、それっでどうした人かしら」
「生憎これでも恐妻家で愛人はいない」
王は笑ってだ、自分のことを話した。
「一人もね」
「そうなのね」
「ただいい店は知っている、そこはどうだろうか」
「どんなお店かしら」
「クラブだよ、日本で言う銀座にある様な店だよ」
「ホステスね。銀座の人達なら何十人と食べてきているけれど」
沙耶香は口元にこれ以上はないまでに妖しい笑みを浮かべて述べた。
「上海の人達も美味しいのね」
「きっと気に入ると思うがね」
「わかったわ、では行ってみるわ」
上海のその店にというのだ。
「お食事の後でね」
「では今から紹介しよう、しかしその前に」
洋館を見てだ、王は沙耶香にこんなことも言った。
「あっという間だったな」
「怨霊達のことね」
「ああ、随分長い間ここに巣食っていたらしいが」
「私にかかればそんなものよ」
「幾ら長く強く祟っていてもか」
「時としてね。あっという間にいなくなるものよ」
沙耶香は何でもないといった声で王に答えた。
「怨霊でも何でもね」
「そうしたものなんだな」
「ではね」
「ああ、これからその店を紹介させてもらおう」
「飯店もね」
「わかっている、では」
こうしてだった、王は沙耶香にその飯店と美女達がいる店を紹介した。沙耶香に快楽も提供したのだった。その話をしてから。
今度は沙耶香がだ、場を後にしつつ王に問うた。
「それであの洋館はどうするのかしら」
「そうだな、住むにはな」
「嫌かしら」
「やっぱり鬼がいたって思うとな」
「住みたくなくなるのね」
「どうもな、だから住むことはしない」
それはないというのだ。
「上海にはもっといい屋敷を持っているしな」
「だからなのね」
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