第二章
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「家はいいさ、少なくとも中国には」
「じゃあ洋館には住まないんだな」
「とりあえずは」
「そうさ、しかしあの洋館は買おう」
住まないがそれでもというのだ。
「そして本当にそんな鬼がいるのなら」
「鬼をどうするんだ?」
「それで」
「その鬼を退ければいい。違うかい?」
鬼の存在を信じていないことが伺える言葉だった。
「違うかい?」
「それはそうだけれど」
「鬼がいるのなら退ければいい」
「それはその通りだげ」
「まさか君は」
「そうするよ、早速腕利きの人を二人程雇おうか」
鬼を退ける仕事を請け負う人間をというのだ。
「そうしようか」
「まあその方がいいね」
「君もあの洋館には入らない方がいい」
「それに退魔師を呼ぶのなら」
「そうした方がいい」
「そうしよう、じゃあ世界的な退魔師を二人位呼ぼう」
王は笑いながら決めた。
「やるのなら最初から全力でやる」
「君の考えはそうだね」
「それで成功してきましたしね」
「見極めてからね、まずはその洋館を見極めよう」
中には入らないにしてもだ、それでもだ。
王はこう言ってだ、そのうえで。
邪なものを退ける、やはり彼はこうした話を信じていないがそれでもそう聞いているので持って来た桃の実を手にしてだった、まずはその洋館のところまで来た。そして。
桃の実をだ、洋館に向かって投げると。
桃の実は何とだ、敷地と外を区切る壁の上のところに来るとだった。
瞬時にだ、何もないというのに腐って溶けてしまい。
どろどろになり空中に落ちてだ、その途中で消えた。現実主義者の王もその桃の有様を見て考えを変えるしかなかった。
「これは」
「ほら、言った通りだろ」
「ここには何かいるんだよ」
「それも邪悪なものを退ける桃をあっという間にあそこまでする」
「それだけ強いのがな」
「ここにはいるんだよ」
同行していた知人達は驚く王にここぞとばかりに言った。
「だからこの洋館は」
「これ以上近寄らないでな」
「そしてだ」
「後はな」
「退魔師を呼ぶのならその人達に任せるんだ」
「プロにな」
「それがいいな」
王も腕を組んでだ、考える顔になって言った。
「世界的な退魔師を二人呼ぶか」
「ああ、そうしたらいい」
「是非な」
知人達も彼の決定をよしとした、そしてだった。
王はすぐにその手の人物を探してだ、日本から世界的な退魔師を呼んだ。その退魔師はというと。
黒いスーツとズボン、革靴に身を包みその上から黒いコートを羽織っている。スーツから見えるブラウスは白でネクタイは黒だ。
背は長身で女だが一七〇ある、腰までありそうな絹を思わせる黒髪を後ろで団子にしてまとめうなじまで見せている。脚は長く腰はくびれ胸は豊満だ。スーツからも
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