第1章:ぼっちな姫は逆ハーレムの女王になる
なお珠希はBluesである
[8/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
コール今後の珠希の学校生活は、退屈な日常から始まる少しばかり甘酸っぱいラブストーリーから、この学校を支配する番長を決めるべく血で血を洗う学園硬派喧嘩漫画にチェンジしてしまった可能性もありありだった。
そもそもそんな学校生活がどこの誰に需要があるっていうんだ?
先程ようやくクールダウンしたばかりの頭を再度フル回転させ、星河に対して釈明の言葉を探す珠希だったが、ここで少女漫画の恋人役のごとくイジメられかけた主人公を救った後の一言みたいな気の利いた台詞など出てきやしなかった。
むしろこの現状的にはヒロインが栗色髪の星河で赤茶髪の珠希がヒーローときている。世も末だ、本当に。
そしてこういうことを考えている珠希は本当に汚れきっている。なぜかと問われれば、誰もが口を揃えて自業自得だと答えるのだが。
でもあたしまだ○女だし、男性経験ないし、という珠希側の言い訳は当然、通用しない。ここで大事なのは肉体の純潔ではなく、思考回路の健常性だ。
思い返せば地球外から来たとかいうインなんとかも契約後に言ってたじゃないか。穢れを溜めきった魔法少女は――って。とはいえ珠希は未だ一度もQBと契約したことはないし、三十路までチャンスがなければそこらの野良犬相手にしてでも童……じゃなくて処○捨ててやるつもりだ。
一方で現実に目を向けても今さら「つい勢いで……きゃはっ?」などというkawaiiゴマカシは当然、通用しない。Pを前にしたおにぎり娘じゃないんだから。
こうなりゃ地球上のどこかの学園都市に落ちてきたインなんとかさんみたく星河くんも都合よく記憶ぶっ飛ばさないかなぁ……と末恐ろしいことを頭の片隅で願った珠希だったが、このままでは拳と拳で友情やら将来やら生き様を語り合う硬派喧嘩漫画に突如現れた女番長(死語)まっしぐらである。
ここ底辺校じゃないのに。
むしろ偏差値70以上ないと受からないよって言われた進学校なのに。
「……っあ、あのねっ、星河くん。これは……」
……ぅああぁぁぁぁっっっ!
これはもう完ッ璧に、完ッ璧に星河くんに嫌われたぁぁぁぁぁっ!!!
言葉を失い、完全に現状の空気に飲み込まれてしまっている星河を前に、珠希は心中で思い切り叫んだ。
まあでもこれはさすがに無理もないよねー、などと適当感満載で慰めてくれる中学時代の親友たちもいない現状、ましてやまだスクールカーストの制度からも除外され、半ぼっち扱いされている珠希の身からすれば子はもう死亡宣告にも等しいものだ。
ましてや、知り合うきっかけは何であれ――できたら思い出したくもないが――星河はせっかくできた最初の友達である。そんな彼から嫌
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ