第1章:ぼっちな姫は逆ハーレムの女王になる
なお珠希はBluesである
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だな」
「てか、かなり可愛くね?」
「まさかコイツのカノジョとか?」
おおぅ、なんて見事なチンピラキャラのテンプレ台詞。
これは選択ミスったらリアルにエロ漫画的展開じゃん。
とりあえず上級生男子たちの言葉と珠希の発想に否定すべき点とツッコミを入れるべき点があるのはひとまずおいておくとして――まさか入学早々こんな場面に出くわすと思っていなかった珠希はとりあえず、できるだけ穏便に事を運ぼうと軽く深呼吸した。
曲りも何も相手は上級生、先輩である。一応、顔は立てなければ。既に社会人の上下関係、悪く言えば社畜思考が根付いてしまっていることも忘れ、珠希は初対面の人向けの対応で切り出した。
「あの、そこの……星河くんをどこに連れていくつもりなんですか?」
「んあ? そんなことお前に関係あるのかよ」
「ええ。一応、彼と一緒にお昼を食べようと約束してたので」
「おうおう。カレと一緒に、だってよ」
「マジかよ。むっちゃ青春してるわ」
……あれ? ここって一応それなりに偏差値高かったはずだよね?
何がどうしてこんな口汚い言葉を吐かれなきゃならないんだろう。
てか青春するにしてもあなたたちは邪魔なんですよ。
それにどうせあなたたちのは「青春」じゃなくて「性春」なんでしょ?
そのエロ同人的思考はerg原画家を務める職業病なのか、自分自身の思考回路にまったく違和感を抱かないこのガチオタ○女は心中でツッコミを連発する。
「……で、俺らの分のメシ持ってこうとしたコイツに何の用?」
「俺らの分、って何か予約制でもあるんですか?」
「んなのあるわけねーじゃん」
「おいおい、この娘も新入生だから仕方ねーって」
「確かに。それだわ」
リーダー格らしい男子生徒に真っ向から尋ね返すと、周囲の取り巻きが下卑た笑い方で囃し立てた。ネットで文字化したらきっと草が生えまくっていてまったく会話が進んでいないのが容易に予測できる。
下品に笑っている上級生男子を前に珠希は今までの会話を総合し、こうなるまでに至った状況――昼食を買いに星河が購買に行き、そこで買ったパンかおにぎりに対して、この上級生たちがいちゃもんをつけて――を予測する。
「つまり、星河くんに非はないと?」
「あ? だからコイツは俺らの分の飯を持って行ったわけよ」
「しかも俺たちが買おうとしてたやつを買っていきやがってよぉ」
「だからその点について星河くんに非はないですよね? 常識的に考えて」
「何だお前、一年だからって調子乗ってんのか?」
「女だからって、容赦しねえぞ」
常識が通じない人間が最も頭にくる単語――「常識的」に――という単語を殊更強調して持ち出してきた珠希に、ついに上
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