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『DIGITAL MONSTER X-EVOLUTION:Another-X』
第二幕:【立ち返りし日々に安寧無し】
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のように話を続ける。

「まァ、つまりは、ダレもカレもが腹が減ってるとロクなことにならない、ってーわけだよ。
体の栄養は心の栄養。腹が満ちれば精神(こころ)も満ちる。互いにおなかいっぱいにして、互いに心身
ともに満ち足りた状況をつくる――――それが、友好を深めるために必要なものだと、僕は思う。
…………僕は口下手だからさ。敵意が無いのを示そうとしても、どーしても突っかかられちゃうから、
衝突は避けられない。だから僕は、せめて戦いを終わらせた後で、みんなが腹を割って話し合える場を
作りたい。1番悲しいのは争いを止められないことより、争いを生み出してしまうことだから…………」

それは弟子(スパーダモン)に言い聞かせるように――――否。それは自分に言い聞かせるように。
とても真摯な、言葉だった。

「ハイ、真面目な話はもう終わり! ごはんごはんごはんごはん! 直ちにごはんを要求する!」
「…………はァ。マジメにしてれば素直に尊敬できる方なんだけどなァ…………」

そんな小さな愚痴は、強き要求の声にかき消され、当人に聞こえることはなかった。
だがそんなことは常の為仕方なし、と観念したスパーダモンは、食器を取り出して盛り付けを始めた。

「…………って、違う、そうじゃなくって――――!」

と、流れに任せて、危うく忘れるところであった。

「ぬァ〜んなんですかこの状況はァアアアアアア!?」

言って、スパーダモンは己が師(アルフォースブイドラモン)と共に卓を囲む面々を指差した。
…………そこには、集団が居た。

――――山吹の機竜・“メタルグレイモン”。
――――蒼月の人狼・“ワーガルルモン”。
――――灼火の鳥人・“ガルダモン”。
――――強堅の甲蟲・“アトラーカブテリモン”。
――――怒涛の海獣・“ズドモン”。
――――魅惑の妖精・“リリモン”。

――――そして、やおら縄でグルグル巻きの簀巻き状態で鎮座している“ヴァンデモン”である。

「何でさっきの話に出てきた当事者全員が此処に居るんですか!? つか、何で此処まで
連れてきちゃってるんですか!? 助けた方々なら兎も角、敵まで!!?」

スパーダモンの怒号のようなツッコミが炸裂するも、対するアルフォースブイドラモンの反応は
大きく首を傾げての、

「???」

であった。

「あ、ダメだこの顔。完全にコッチが何で怒ってるのか判ってない顔だ」
「ヲイヲイ心外だなあ。さっきまでの話をもう忘れたのかい? 言ったろう、友好を深める為に僕が
最も重要だと思ってるのは、」
「覚えてますよ! でもお師匠さま、ここが周囲のデジモンたちから何て呼ばれてるか判ります!?
混沌伏魔殿(カオスポイント)』ですよ!? 仮にも聖
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