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『DIGITAL MONSTER X-EVOLUTION:Another-X』
第二幕:【立ち返りし日々に安寧無し】
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お、ぉ、オオオォォ…………」

俯きながら、何かを堪えるかのように小刻みに身震いを起こし。
躰がみるみるうちに膨れ上がり。整えられた毛髪はざんばらに乱れ。
四肢が伸び、外套が裂け、蝙蝠のような大翼が突き()で。
上半身を赤い甲殻に、下半身は獣のような獣毛が覆い尽くし。
その姿は、見上げるような“大魔獣”――――“ヴェノムヴァンデモン”へと変貌していた。


「タカガ【ロイヤルナイツ(ヒトリ)】ゴトキ――――(ナニ)()ルモノゾぉオオオオオオオ――――ッ!!」


鳴動する大気が。振動する大地が。
怨嗟のような雄叫びが、空間(せかい)を蹂躙する。

「…………いや、そんなヤル気スイッチ入られてもなぁ…………ま、どの道止めなくちゃ、かな」

対するアルフォースブイドラモンはそう言って、また肩を竦めた。
その態度は驕りか、はたまた余裕か。

「…………いくぞッ!!」

“蒼の弾丸”が、“大魔獣”目掛けて飛び出した――――



……………。
…………………………。
…………………………………………………。
………………………………………………………………。




*********************************************
―――――――――と、いう戦いがあった。
*********************************************




「…………っで、そこからはちぎっては投げーの、ちぎっては投げーの大激闘だったのさ。
まあ、もちろん僕らの大勝利だったけどね。…………ごはんマダー?」
「あともう少しですよ。それと本日の戦果をまるで幾年も前の出来事のように言わないでください。
もっと言えば弟子に煮炊き任せてグータラすんのはやめろって何回言えば判ってくれやがりますか、
師匠(っしょー)さま」

ぬべらー、と卓のようなものに突っ伏して脱力するアルフォースブイドラモンに、可愛らしくも
辛辣な言葉を浴びせる影が1つ。
2頭身ほどに擬人化(ディフォルメ)され、碧い鎧を身に着けた白い小獅子姿のデジモン、
“スパーダモン”が、なんでかエプロン姿でおたまを片手にプンプンしていた。
どうやら、ここの御台所事情は彼が握っているらしい。
…………ちなみに現在アルフォースブイドラモンとスパーダモンが居るこの場所は、【旧世界】の
某所に存在する、彼らの現地拠点(ベースキャンプ)()()()()()である。

「んー…………そーいえば足りる? ごはん」
「ギリギリですかね。ただでさえお師匠さまの分がかさむのに、()()()の分もありますから」
「むぬ
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