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『DIGITAL MONSTER X-EVOLUTION:Another-X』
第二幕:【立ち返りし日々に安寧無し】
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。どれほどの矛盾を抱えていようと。
デジモンは()()()()()()()()しか()()()()
即ち。
()()()()と自らが判断すれば、それは()()()()なのだ。
そして、此の地、此の場に、此の“闇の嵐”がある限り、万象はヴァンデモンの掌の上にあると同義。
…………紛れもなく今、【旧世界(せかい)】は、ヴァンデモンの支配下に、ある。
事実、ワーガルルモンを初め、その仲間たちは既に身動きすることさえ(まま)ならない。

「――――アレが見えるか?」

ヴァンデモンが、己が後方のモノを()()()()()()、言った。

そこには。
ドス黒い渦を巻きながら、天と地とを繋いでいると錯覚するほどの、巨大な“闇の竜巻”があった。
それはさながら、天高くそびえる立つ巨塔のようで。
…………僅かだけ。ワーガルルモンは。
竜巻の内部に、鮮血色の塔を、見た気がした。

「そう。その通り。アレは、【塔】だ。
忌々しい陽光を遮る“雲”を生成、それを散布・拡散を可能とする機能を有し、
更には“闇の力”を増大させ、我が能力(チカラ)を100%以上引き出す為のモノ。
――――だがしかし! それだけではない!」

喜々としてヴァンデモンは語る。
己が絶対的優位は覆らないと。確信しているからこその、行為。

(いず)れ――――計算して、あと48時間程か――――“闇の力”がこの【旧世界(せかい)】を蔽い尽くし、
万象が“闇”の水底に沈み、総てをこの手にしたその時! ()()()()()()()()()!!」

嘲笑と共に谺《こだま》す、ヴァンデモンの宣言。
それはデジモンの在り方として、明らかに常軌を逸していた。

「ククク…………滅びゆく運命(さだめ)の【旧世界(せかい)】に、未練は無い。
大人しくしていれば、命だけは助けてやらんことも無いが――――」

不遜な態度を崩さないヴァンデモン。
踵を返し、無様を晒す6体に背を向ける。
まるで、彼らに対する興味を失ったかのような素振りであったが、

「――――いや。矢張りここは私のチカラを知らしめる為、死んでもらうか」

無論、見逃すつもりなど、ある筈がない。ギラついた眼光が、6体総てを捉える。
双眸が、紅い仮面の奥で愉悦の色を放った。

「ッッ!!!」

ワーガルルモンの表情に戦慄が走るが、既に身動きすらとれない身体では、どうすることも出来ない。
――――もはや打つ手はなし。万事休すである。

「さらばだ――
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