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『DIGITAL MONSTER X-EVOLUTION:Another-X』
第二幕:【立ち返りし日々に安寧無し】
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雷撃の鞭が繰り出される。
これによりワーガルルモンの放った技は掻き消されてしまったが、雷撃の鞭からの回避には成功した。
ワーガルルモンが叫ぶ。
「――――今だ!」
「くらえ――――【トライデントアぁああああム】ッ!!」
応える様に響き渡るは、メタルグレイモンの雄叫び。
ヴァンデモンが『必殺技』を繰り出す為に腕を振り抜き、次の動作に至るまでの僅かな隙を狙った
メタルグレイモンは、無防備な背中目掛けて
機械化された左腕
(
マシンアーム
)
から、
鋼の爪
(
メタルクロー
)
を銛のように射出した。
音の壁を破り、文字通りの『
三叉槍
(
トライデント
)
』と化した渾身の一撃。
至近距離からのこの攻撃は、ヴァンデモンと云えど避けようがない。
「むッ」
だ
(
・
)
か
(
・
)
ら
(
・
)
。
そ
(
・
)
れ
(
・
)
を
(
・
)
。
振
(
・
)
り
(
・
)
向
(
・
)
い
(
・
)
て
(
・
)
。
正
(
・
)
面
(
・
)
か
(
・
)
ら
(
・
)
。
受
(
・
)
け
(
・
)
止
(
・
)
め
(
・
)
た
(
・
)
。
「――――なッ!?」
「体格が勝るから勝てると思ったか? ならば教えてやろう。
“デジモン”に於いて、体格の優劣と戦闘力の差は――――必ずしも一致するものではないのだと!」
比較して、華奢で細身の外見をしたヴァンデモンが。
比較して、圧倒的な巨躯を持つメタルグレイモンを。
人間で云うところの、背負い投げの要領で投げ飛ばした。
「ごぁ…………ッ!?」
体型のために受け身すらとれないまま、メタルグレイモンは背中から地面に叩きつけられた。
無残にも、その意識が刈り取られる。
「メタルグレイモン!!」
ワーガルルモンが悲痛な声を上げたが、途端に力尽きるように膝を折った。
「…………ッッ! この『結界』の邪魔さえなければ…………」
そうなのである。
6体という数字上での有利、加えて同じ“完全体”デジモンというクラス条件。
“
ウィルス種
(
1体
)
”に対する“
ワクチン種
(
6体中5体
)
”という“種属性相性”。
どちらも優位である筈――――にも関わらず、彼らがヴァンデモンを打倒出来ない理由が此処にある。
――――この“闇の嵐”に、理由がある。
「その通り。この嵐こそ、我が『結界』。我が『領土』。我が『世界』!
今やこの地は、我が“闇の力”によって支配された。この“闇の力”が充満する嵐の下に居る限り!
“闇の力”に通ずる者でなければ、その
能力
(
チカラ
)
を十全に発揮することは出来ない!
何者がどれほど立ち塞がろうと、この
ヴァンデモン
(
わたし
)
の優位は、微塵にも揺るがぬのだ!!」
あまりにも、荒唐無稽な言葉。
常軌を逸しているとしか思えないその言葉は、誇張などでは、断じて、ない。
どれほど馬鹿げていようと
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