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『DIGITAL MONSTER X-EVOLUTION:Another-X』
第二幕:【立ち返りし日々に安寧無し】
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、有象無象では話にならぬわ」

嘲笑の主が、闇の嵐の中心で嘯く。その正体の名は――――“ヴァンデモン”。
“貴族”、“悪虐の王”、“不滅の不死者”…………数々の異名を持つ、デジモンである。

「ククク…………このまま、我が『闇のチカラ』に平伏すがいい」
「…………ふざッけるなッ! 誰がオマエなんかに…………ッ!」

軋みあげる身体を叱咤し、メタルグレイモンが立ち上がる。
その瞳には、義憤の炎に満ちていた。

「【ギガデストロイヤぁああああ】――――ッ!!」

吼えるような呻き声と共に、メタルグレイモンの全エネルギーが胸部に集中し、
絶叫と共にその胸部装甲が開放。
核弾頭クラスの威力を誇る、必殺の生体ミサイルが放たれる!

「フ…………無駄なことを」

対してヴァンデモンはマントを広げ、その内部から【闇】を解放した。

「【ナイトレイド】!」

【闇】は無数の蝙蝠を形作り、群れを成してミサイルへと殺到する。
――――両者の繰り出す『必殺技』が、真正面からぶつかり合う!

「!!」

が、直後に起こる筈の衝撃も爆風も――――それどころか、激突音すら聞こえることは無い。
何故なら、メタルグレイモン必殺の一撃は、闇色の蝙蝠どもに()()()()()()()()()()
無情に。無残に。無慈悲に。
そして、獲物を喰らい終えた闇色の軍勢は、次の標的(ターゲット)に狙いを定める。
――――即ち、メタルグレイモンを。

「【カイザぁぁネイル】ッ!!」

刹那、網目の如く交差した斬撃が、蝙蝠の群れを瞬く間に切り刻む。
メタルグレイモンの背後から飛び出した、ワーガルルモンによるものだ。

「ぬッ」
「だァあああああああ――――ッ!!」

一瞬で間に割って入り、間合いを詰めたワーガルルモンは、そのまま息も吐かせぬ接近戦(インファイト)を挑む。
両の拳での連打(ラッシュ)連打(ラッシュ)連打(ラッシュ)連打(ラッシュ)連打(ラッシュ)連打(ラッシュ)
速射砲のような、連打。
()()()

「…………ッ!!」

これほど打ち込んでいるにも関わらず、ヴァンデモンの黒い外套(マント)を、突き破るには至らない――――!

「――――その程度か? ん?」
「ッ、【円・月・蹴り】ィッ!!」

不敵に嗤うヴァンデモンに、直感的な危険を感じたワーガルルモンは大きく後方へ飛び退きつつ、
強靭に発達した脚から半月型の衝撃波を蹴り出した。
この判断は、正しかった。

「【ブラッディストリーム】!」

外套(マント)で死角になっていた方のヴァンデモンの手から、血のように赤い
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