例えばこんな未来もありえたかもしれない(完)
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能的に自分の敗北を悟った。
その瞬間、ルーシィは世界が自分の思っているほど狭くない事を知った。
その瞬間、ゴエモンとオウカは――
『IS学園が島ごと真っ二つになるのを目撃した』。
切り口が余りにも鮮やかすぎて逆に何も起きていないのではと思える時間の後、ぱらり、と剣の直線上に居た女子生徒の服が真っ二つになった。続いて背後の席にいたカメラマンのカメラと服が、壁にあったモニターからスパークと黒煙が。そして極めつけに、アリーナの外に見えていたIS学園名物『無駄に前衛的な造形だけど何の設備だかわからないタワー』が轟音を立てて崩壊を始めた。
『残存エネルギーゼロ……敗、北』
「え?……え、ちょっとヤダ!!何で私の服が……ぱ、パンツとブラまで切れてるし!?」
「ぼ、僕のカメラが!!20万した一眼レフがぁぁぁッ!?」
『緊急事態発生!!緊急事態発生!!島の管理システムに致命的なダメージが発生しました!関係者各員は民間人の避難誘導の後、持ち場を放棄して脱出してください!!繰り返します――』
阿鼻叫喚の大惨事……なのに、怪我人の一つすらない。
それは、ジェーンが『ゴエモンは相手を傷付けるのが嫌だろう』と思っていたから。
ただ、それだけだった。
「………ふむ、普通にやりすぎた」
『や、刃が人やISの命を奪わない法則持っててよかった……!内包してなかったら普通にリューガとか観客の人とか真っ二つになってたよ……!!』
……やった本人たちは絶え間ないレベルで冷や汗をかいていたが。
= =
その日世界中の新聞の一面を飾ったのは、『IS学園、両断』という衝撃的な内容だった。
報道内容によると、試合で負けていた真田悟衛門の同級生であるジェーン・ネスキオが試合中にアリーナに乱入し、その場で対戦相手のリューガ・ゾルダークを剣で撃墜。その攻撃の余波がすっぱりと広大なIS学園という島そのものを両断してしまったというものだった。
凄まじい威力に反して死者・怪我人はゼロだったが、被害そのものは甚大。剣の直線状にあった全施設と地下ケーブルが両断されたことによってIS学園は一時的な機能不全に陥るという前代未聞の大惨事に見舞われた。
事件を引き起こした張本人は「元上司に頼まれてやったので詳細は知らない」と盛大な責任逃れをかまし、何食わぬ顔でゴエモンと一緒にいるという有様だった。
「で、ジェーンは何って言ってるの、トラッシュ?」
「うん……『やりたいことが出来たので仕事辞めます。ISは退職金代わりに貰っていきます。後始末はそっちで付けてください。追伸:ゴエモンに手を出してくるようなら全身全霊で鰐を殺す』、だそうです
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