暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第174話 避けゲームと撃ちゲーム
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側に向かって投げてくる。
空中に無数の黒い塊が 放物線を描きながら迫ってくるのが、ここからでもよくわかる。……逃げ場がないと言う事も同時に。
「なっ……! ず、ずるっ……!」
あの避けゲームで言う、直前レーザー6連射と同じかそれ以上に卑怯な、インチキ攻撃だ。あれ程までに広範囲で投げられてしまえば、遮蔽物の無い行動範囲エリアではどうすることも出来ない。
そう思い、思わず抗議の声を発してしまったのだ、……が。それは意味を成さなくなる。
「……だろうと思った」
あのマントのプレイヤーは、もう既にリロードを終えているリボルバーを向けた。
爆発する前に、5人を葬るつもりなのだろうか? と思ったが、アイツが狙ったのはNPCガンマンじゃない。
“ドドドドドッ!”
それは、ほとんど同時に聞こえてくる銃声。
その銃弾が捉えたのはNPCガンマンではなく……、あろう事か。
“どごぉぉぉん!!”
あろう事か、投げられた爆弾に着弾したのだった。
「……な、ななっ」
それを見た女の子は、いや、女の子だけじゃない。観客全員、騒いでいた者達も例外なく黙ってしまった。驚愕の表情で。
空中に放り出された爆弾をそのまま撃ち抜く芸当をやってのけたのだ。一度に広範囲にバラ撒かれる
散弾銃
(
ショットガン
)
なら、或いは可能だろうが、単発のリボルバーで正確に当てたのだ。有り得ない正確さだ。
そして、この技術……彼女は見覚えがあった。はっきりと見たわけじゃない。投げた、投げられた爆弾を撃ち抜き、誘発させた射撃技術。
「……ほら、返すぞ」
NPCもまるで、呆け取られているかの様に、呆然と立っていたその場所に、1つのボール状の影が現れる。さっき、彼らが投げたそれと全く同じ代物。
「
TheEnd
(
終わりだ
)
」
その言葉と共に、撃ち放たれるのは装弾数6発であるリボルバーの最後の一弾。
芝居がかかった仕草で、撃ちはなったその弾丸は、正確に爆弾を穿ち、爆発を誘発。周囲に集まっていたNPCガンマンは避ける事も退避する事も出来ずに、爆弾によって吹っ飛ばされ、その瞬間。
「げ、ゲー、ム、オーバァ……」
倒れふしながらも、そう呟き……消え去った。
残されたのは、先ほどの様にジャラジャラと景気よく出てくる金貨、そしてクリアのファンファーレだった。
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