三十三話:お誘いと日常
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構わないよ。あいつに書いて貰ったら渡してあげるよ」
「ありがとうございます!」
めちゃくちゃ嬉しそうに笑うユミナちゃん。
やっぱりこんな子に残酷な現実を見せるべきじゃないな。
ジークが乞食なのは極秘にしておこう。
チラリとアインハルトちゃんに目配せするとあちらも頷いてくれた。流石は我が妹だ。
「さてと、そろそろ催し物をさせてもらおうか」
「では、私とアームレスリングを」
「ああ……うん。お手柔らかに」
「では、楽しんでいってくださいねー」
ユミナちゃんに見送られつつアインハルトちゃんの晴れ舞台に歩を進める。
負けたらチャリティ品をお買い上げか……ふ、どうやらどこに行ってもサイフなのは変わらないらしいな。
おまけ〜どこかの誰かの御先祖様の記憶〜
「ふむ、若干失敗してしまったか。リンカーコアに微妙に影響が出ているな。まあ、命に別状はない。我の人格が覚醒すれば元に戻るだろう」
彼女はどうとでもないように呟き我が子をそっとベッドの上に寝かす。
これで彼女がこの国に残る理由は無くなった。乳母を呼び戻しそのまま部屋から出て行こうとしたところでふとある事を思いたつ。
「おい、乳母よ。貴様、姓は何という?」
「は、はい! 私の家系には性がありません」
「ふむ……よし。我が姓を与えよう。その代わり汝は我の子を子として迎い入れろ」
「え? え?」
混乱する乳母をよそに彼女はこれがよいか、あれがよいかと考えをめぐらす。
そしていい名前が思いついたのか手を打って言い渡す。
「ノーマン。そうだ、汝はこれからノーマンと名乗れ。そしてその子もまたノーマンだ」
「は、はい。ありがとうございます」
「これでもう用はないな。それでは達者でな」
その言葉を最後に自国―――ノルマン王国から姿を消した。
その後、ノルマン王国は聖王連合の降伏勧告を受け入れた。
臣下達は彼女に反乱を起こし国を奪い。彼女は殺したと説明した。
それ幸いとばかりに聖王連合は自国の王族を新たに王として据え吸収される形でノルマン王国は滅びた。
それから数年が経ちベルカ平定間近となったとき、ゼーゲブレヒト家が納める本国に一人の女性が襲撃をかけた。
「どうした! どうした! 聖王連合の兵は数はあろうと腑抜けばかりか!」
「なんだ、あの女!? 一人で国を襲うなんて正気の沙汰じゃないぞッ!」
まさか内側から襲われるとは思っていなかった兵士達だったがすぐに立て直しを図ろうとする。
しかし、彼女はそれを嗜虐的な笑みを浮かべながら切り裂いていく。
一振りすれば複数の首が宙を舞い、一突きすれば必ず心臓を貫かれる。
まさに戦場の死神が如きその姿に兵士達は恐怖
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