三十三話:お誘いと日常
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それと先生が遠くから俺に訝しげな視線を向けてくる。
まあ、アインハルトちゃんが一人っ子だというのは知っているだろうから当然の反応だ。
「それにしても……その衣装どうしたんだ?」
「こ、これは皆さんに着させられて」
そう言って恥ずかしがりながらフリフリの魔法少女のドレスを抱きしめるアインハルトちゃん。
よかった。ヤンデレの余波で変な趣味に目覚めたわけじゃなくて。
「いや、良く似合ってる。可愛いぞ、アインハルトちゃん」
「お気に召したなら今夜はこれを着てお伺いしましょうか……」
「すいません、少し警備室でお話を聞かせて貰えませんでしょうか?」
「先生待ってください! この子時々天然発言するんです! だから警備員さんは呼ばないで下さい!」
ほんのり頬を染めてそんなことを口走るアインハルトちゃん。
確信をもって俺をロリコン扱いする先生。
集まってくる警備員さん。やばい、この年でお縄は勘弁だ。
取りあえず必死になって説明した結果誤解は解けたので胸を撫で下ろす。
「あ、危なかった。アインハルトちゃん、これから迂闊な発言はしないように」
「よく分かりませんが、分かりました」
「アインハルトさんってこんな一面もあるんだ……」
何故ダメだったのか分からず首を傾げるアインハルトちゃん。
そして普段はクールで通している我が妹の一面に驚いている司会の子。
というか、そろそろ司会の子じゃ呼びづらくなってきたな。
「ところで、君の名前を教えて貰えないかな?」
「あ、ユミナ・アンクレイヴです。えーと、お兄さんは?」
「リヒター・ノーマンだ。うちの妹と仲良くしてくれているみたいで嬉しいよ」
「そ、そんな、私が勝手に話しかけているだけで……」
「そんなことはありません。ユミナさんとお話するのは楽しいです」
「アインハルトさん……」
ユミナちゃんの手を取りニッコリと微笑みかけるアインハルトちゃん。
ああ、こうして妹の交友関係が広がっていくのを見るのは嬉しい事だな。
「ところでお兄ちゃんは今日は一人ですか?」
「ん、今のところは一人だな。一番にお前のとこに来たからな。後でジークとエルスと合流する予定だ」
「ありがとうございます」
一番初めに来たと言うと嬉しそうにはにかむアインハルトちゃん。
ユミナちゃんは何やら俺の言葉に引っ掛かりを覚えたのか考え込んでいる。
と、思ったらパッと顔を上げて尋ねてくる。
「どこかで見たことがあると思っていたんですけどもしかしてジークリンデ・エレミア選手のセコンドをやっていたりしませんか?」
「よく分かったな。ああ、あいつのセコンドをやっているよ」
「あ、あの、申し訳ないですけどサインを頼んだりとかは……」
「それ位なら
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