三十三話:お誘いと日常
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? 下手しなくても病んでるだろこれ!」
「大丈夫だ。ちゃんと会ってなでなでしてやれば元に戻る……はず」
だよな? そうだよな、ちゃんと元の可愛い妹に戻るよな。
まだヤンデレ一歩手前で踏みとどまってるよな。そうだと言ってよ、ハリー。
「本当だろうな?」
「待て、俺も突然過ぎて混乱しているんだ。余り話しかけないでくれ」
「いや、なんか悪い。良く分からねーけどホント悪い」
何か真顔で混乱しているというとハリーから本気で謝られてしまった。
やめろ、本気で謝られると妹が本当に取り返しのつかない領域に行ったように感じるんだ。
お願いだからやめてください!
「と、とにかく学院祭楽しみだね」
「流血沙汰にならないことを今から祈っておくよ」
「それと、リヒターは一番に行ってあげること。それと一人で行くこと」
「ああ、うん。分かっているよ。俺もそのぐらいはさ、ははは」
「今から不安だ……」
学院祭……始まる前から無事に終わることを祈っている俺はおかしいだろうか。
学院祭当日。俺は一緒に行こうと駄々をこねるジークに用があると言ってエルスに押し付けて一足先に来ていた。
恐らくはいつもは落ちついた雰囲気を漂わせる学校なのだろうが今日ばかりは祭りの空気か見た目も空気も華やかになっていた。
「さて、アインハルトちゃんは確か中等科の1年B組だったな」
案内を見ながら進んで行くと体育館のような場所に出る。
スポーツ系の出し物でするのか?
そう思って電子看板を眺める。
「1年B組、スポーツバー?」
「はい、ようこそいらっしゃいました」
「と、君は司会でもやっているのかい?」
突如現れた、というのは失礼だが青い目に黒い髪の女の子が現れる。
マイクを持っているので恐らく司会をやっているのだろうとあたりをつけると嬉しそうに頷いた。
「すまないが、このクラスにアインハルトって子がいると思うんだが……」
「アインハルト選手ならあちらでアームレスリングを―――」
「お兄ちゃん、来てくれたんですね!」
「あ、ああ。頑張ってるみたいだな」
「え、さっきあっちに……あれ?」
司会の子が指差した方を向いた瞬間に目の前にアインハルトちゃんが出現していた。
何が起こったんだ? 転移でもしてきたのか。司会の子が混乱している。
俺も混乱するが無理やり抑えて出来るだけ朗らかに返す。
取りあえず尻尾があったらブンブン振っていそうなほどの喜び様なので来たかいはあった。
「えーと? アインハルトさんのお兄さんなんですか?」
「はい、私だけのお兄ちゃんです」
「まあ、そういうことになるのかな?」
アインハルトちゃんの説明に一応の納得を示す司会の子。
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