3部分:第三章
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る。
「アイドルの写真なんて。どうしたんだい?」
「今付き合ってる娘に頼まれてね」
沙耶香はうっすらと笑ってバーテンに応える。
「写真を見ているのよ」
「へえ、お姉さんが頂こうと思ってるんじゃなくて?」
「それもいいわね」
それは否定しない。
「けれど。やっぱり皆可愛いわね」
「ああ、皆佐久間事務所の娘だよね」
「ええ」
それに答える。
「よくわかったわね」
「そこの娘は皆可愛いからね。嫌でも目立つさ」
バーテンはにこりと笑ってこう述べた。
「最近テレビでもよく見るしね」
「そうなの」
「テレビは観ないのかい?」
「そういえば観ないわね」
言われて自分でもそれに気付く。
「何故かしら」
「こうして飲んでいるかいつも誰かと二人きりだからなんじゃないかい?」
「ふふふ」
その言葉には含み笑いを返す。
「そうかもね」
「羨ましいねえ、もてる人は」
「男でも女でも」
「私は女の子専門ですけれどね」
バーテンも軽い調子でそれに返す。
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