第7話 光の剣匠
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どうかしたの?」
「そなた達は二人で大陸を旅しているのか?」
う〜ん、どうしようか。あまり猟兵のことは話しちゃ駄目なんだよな。エレナの件でそういった事を隠すのは抵抗があるんだけど、団の皆に迷惑をかけてしまうかも知れないし……
「どうかしたのか?」
「あ、いや何でもないよ。まあフィーだけじゃないんだけど、他にも家族がいて皆で大陸中を旅しているんだ」
「そうか、私はレグラムからあまり出たことがない、だから外の世界に大いに興味があるんだ。帝国以外の国や町はどんな感じなんだ?」
「帝国以外にも沢山の町があったね、四季の綺麗な町や導力車が走る近代化した町……世界は広いって感じたなぁ」
「では強い武人もいるのか?」
「そうだね、沢山の強者と戦ったこともあるけどまだまだ僕の知らない強い武人もいるよ」
「そうなのか!私もいつかそのような武人達と剣を交えてみたいものだ」
ラウラは期待に溢れた目でそう語る。
「ラウラはどうしてその人達と戦いたいの?」
「私の父上は『光の剣匠』と呼ばれる剣士であり私の目標なのだ、圧倒的な強さを持っておりながら決して力に溺れず、強い信念を持ち力なき民を守る武人……それが父上なんだ」
そうか、ラウラにとってアルゼイド子爵は僕にとっての団長みたいな存在なんだ。父親に憧れる、その気持ち凄く分かるよ。
「アルゼイド子爵のことは噂で聞いたことはあるけどやっぱり素晴らしい人なんだね」
「うむ、私も将来は父上のような立派な武人になりたい、力なき者を守る騎士に……それが私の夢なんだ、リィンも力とはか弱き者を守るものだと思わないか?」
「そうだね、僕も大切な人を守れる力が欲しい、だから力を求めた」
「そうか、リィンもそう思うか、やはりそなたも良き剣士だ。力はそのために使うもの……だからこそ力を振りかざして力なきものを虐げる者が許せない。例えば『猟兵』だ」
ピクッ……
ラウラの言葉に僕は反応した、クッキーを食べていたフィーも反応して一瞬表情を曇らせた。
「『猟兵』……戦場の死神と呼ばれている人達だね」
「うむ、戦場を生業としミラさえあれば如何なる非道な依頼も受けるという猟兵、己の欲望だけの為に人を傷つけるなど……私はそんな猟兵が許せないんだ」
……そうだよね、普通なら猟兵はラウラのいう通りのイメージだ。エレナは受け入れてくれたけど猟兵は嫌われ者、それが当然だ。
ふとフィーを見るとフィーの表情を見慣れた人間にしか分からないが悲しそうな表情をしていた。
「……リィン、何だか気分が悪そうだが大丈夫か?」
「ううん、何でもないよ、大丈夫だから」
「……?」
「お嬢様。そろそろ門下生達の稽古が始まりますが……」
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