第157話 戦準備
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宗』と呼んでくれ」
「正宗様、私を家臣にしてください!」
張允は正宗から真名を預けられたことに感激した様子で臣下にして欲しいと頼み込んできた。
「私の臣下になりたいのか?」
「はい!」
「いいだろう。秋佳、私のために励め」
正宗と秋佳の遣り取りを泉は微笑ましく見つめていた。泉としては秋佳の様子から正宗に心酔していると感じ取ったのだろう。正宗に心酔する者同士共感するものがあるのだろう。朱里と桂花は正宗に心酔する「襄陽城の内情に詳しい道案内」が楽に手に入り好都合という表情で秋佳のことを見ていた。
「車騎将軍、お待ちください」
正宗は朱里と泉と伊斗香の三人を連れ立って謁見の間を去った。その後を荀爽が慌ただしく追いかけてきた。
正宗は振り向き荀爽の姿を確認する。荀爽は追いつくと拱手した。
「車騎将軍、お伝えしたいことがございます」
荀爽はそう言うと朱里と泉と伊斗香に視線を向けた。
「お人払いをお願いできませんでしょうか?」
「込み入った話か?」
「はい」
荀爽は一瞬伊斗香に視線を向け、正宗に視線を戻す。伊斗香は荀爽の視線に気づき得心した表情になる。
「正宗様、私は席を外した方が荀侍中も話易いかと」
伊斗香は拱手して正宗に言った。
「荀侍中、劉荊州牧に関わることか?」
正宗は伊斗香の言葉から察したのか荀爽に言った。荀爽は一瞬逡巡するも頷いた。
「構わない全て話せ」
「よろしいのでしょうか?」
荀爽は伊斗香に視線を移し正宗に確認した。
「構わない。伊斗香は私の家臣となった。なら何を隠す必要もあるまい。それに」
正宗は一拍置き伊斗香を見た。
「伊斗香が劉荊州牧の密命で動いていたとしても隠す必要はあるまい」
正宗は笑みを浮かべ荀爽を見た。荀爽は正宗の確認が取れると劉表の現状と彼女から頼まれたことを全て語った。
「劉荊州牧は私に会いたいと言っていたのか?」
「はい」
「荊州の豪族に余計な疑念を抱かせることになるから、今はお互いに会わない方がいいと思うがな」
正宗は荀爽を見て淡々と言った。
「正宗様と劉荊州牧が会うと何故に荊州豪族に疑念を抱くのでしょうか?」
泉が正宗に尋ねてきた。
「私はこれから蔡一族を粛清するために出陣する。そんな私と会った事実が外に漏れれば、荊州の豪族は私と劉荊州牧が通謀していると思うかもしれん。荊州支配に蔡一族が邪魔となった彼女は私を招き入れ蔡一族を粛清させた。彼女には動機があるからな。彼女は長女・劉gを後継者にしたいと考えているが、彼女の夫と蔡一族は末娘・劉jを後継者にと考えている。今回の粛清で末娘・劉jの後継者
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