第一章
[2]次話
シンタ
メキシコの南にある国グアテマラ、そにサンチアゴのチマルテナンゴの村においてだ、一人の少女がこんなことを言っていた。
エリザベッタ=カラゴーサは通っている中学校で友人達にだ、口を尖らせてその話をしていた。
「うちの学校をね」
「隣の中学校が言ってたって?」
「田舎者だって」
「そう」
「そうなのよ」
こう言うのだった。
「またね」
「あの連中いつも言うわよね」
「そうよね」
「同じ位だってのに」
「それこそね」
「向こうも一緒でしょ」
「田舎者」
クラスメイト達も口々にその口を尖らせて言う。
「何処が違うのか」
「訳わからないわよね」
「どっちもどっちじゃない」
「しかもよ」
それにというのだ。
「同じマム族じゃない」
「そうそう」
部族も一緒だというのだ。
「それでどうして張り合っているのか」
「意味不明じゃない」
「こっちはそう思ってるのにね」
「何でか向こうはね」
「やたらとね」
「こっちに絡んで来るのよね」
田舎者と言ったりして、というのだ。
「何でかしらね」
「向こうが一方的にね」
「向こうも公園あって」
「市場もあってね」
「人の数も同じ位」
「川だって両方にあるわよ」
「お魚の量も同じ位」
川にいる魚の、というのだ。
「畑だってね」
「両方同じ位あって」
「どっちにも本屋もあって」
「他のお店もあって」
「どっちも同じ位なのに」
「どうしてかね」
隣村の中学校はというのだ。
「ライバル意識燃やしてきて」
「正直鬱陶しいわ」
「絡んでくるなっての全くよ」
「私もそう思うわ」
エリザベッタも言う、その口を尖らせたまま。
「本当に腹が立つわ」
「それじゃあね」
女の子のうちの一人が言って来た。
「これからどうするかよ」
「あの娘達をぎゃふんと言わせるのね」
「そうしてやるのね」
「そうしてやりましょう」
「具体的にどうして言わせるの?」
エリザベッタがその少女、カーラ=ドミニクに尋ねた。仲間内のリーダー格で背も高く大人びた顔の少女である。
「ぎゃふんって」
「そうね、服かしら」
「服?」
「そう、こっちが向こうよりいい服を着てみせてね
そうしてというのだ。
「お洒落になってみせてね」
「そうしてなの」
「あの娘達の鼻をあかしてね」
「それでぎゃふんって言わせるのね」
「それでどうかしら」
カーラはこう皆に提案した。
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