拘束と不死鳥
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なっちゃったのさ!』
「はいはい。そうですか。
んじゃ、俺らの分も頼んどいてくれな。白雪にはわるいけどな」
『らじゃー、らじゃー。じゃ、切るねん。ばいびー』
「ああ、また後で」
『っ……ふふっ。うん。また後でねー♪』
喜悦を含んだ声色を最後にプツッと通信が途絶えた。
「なんか、喜ばせるようなこと言ったか……?」
確かに喜んだ時の声音だった。
これは間違いない。
自分自身鈍感なつもりはないし、それなりの経験と結果を出してるし、元々俺は喜びや愛情を感じ取れる、そういった血を受け継いでいて、その感覚が間違ったことは一度もないと言っても過言じゃない。
だから、こそ喜んだという結果は分かるが、喜んだ原因は分からん。
全く。
前々から束の喜ぶポイントが分からないんだが。
理子も多少分かりづらいけど、束ほどじゃない。
まぁ、そういった所とか結構魅力を感じるタイプなのでいいんだが。
と少し惚気てみる。
まぁ、それは置いといて。
「皆、撤収するぞ。
回収は黒歌に任せてな」
「誰が残る?」
と、千冬が訊ねてくるが、当たり前に。
「俺が残るさ」
「……恋、残る」
すぅっと、今まで誠菜の側にいた恋が一歩前に踏み出した。
表情は乏しいが、少し不満げな表情だ。
自分は戦える、だけど何もしてないことが不満なんだろう。
俺は誠菜を守るって仕事をしてもらったと思ってるが、恋はそう思わないんだろう。
「いや、恋。ここは俺に格好つけさせてくれ」
少し考えた後、フルフルと首を振る。
ロリ堕天使を一瞥し、まだ寝てることを確認し、恋へと近づき耳元で囁く。
「恋。お願いだ。誠菜の側に居てやってくれないか?
誠菜は心優しいから、今もの凄く辛いと思うんだ。
だけど、友達であるお前が居てやるだけで、安心するだろ。だから、頼む」
な?、と肩を叩くと恋も渋々頷いてくれた。
見させた俺が言っていいことじゃないんだろうけどな。
それでも、心配くらいするさ。身内なんだから。
「それじゃ、俺は黒歌をまつから。じゃあな」
「私は残るか?」
「いや、いいさ。千冬には家にいる問題児の相手を頼む。今腹すかせてるらしいしな」
「ハァ、了解した」
心底嫌そうに、千冬は溜め息を漏らした。
「ツンデレお疲れ」
「うるさい」
軽口を言うと、ギロッと睨まれた。おおっコワッ。
何か口に出すともっと睨まれそうなので手をヒラヒラとさせて、「早よ行け」と伝えるとスタスタと扉のない廃教会から出ていった。
千冬の後に続き、誠菜、恋の順で、出ていこうとするが、途中で誠菜が振り返った。
その視線
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