プロローグ
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朝日が眩しい
休日であれば未だ寝ていられるであろうこの時間に目覚め、学校に向かうために重たい足を引きずっている
「いってきます・・・」
まだ眠たそうな顔をしている少年の目の下には若干の隈が見え隠れしている
彼は家のドアをゆっくりと開けふらふらとした足つきで通学用のバス停に向かっていた
「ふぅわああぁぁ・・・」
大きなあくびをかまし、すぐ近くにあるバス停に辿りついた
すると、まるで見計らったかのようにしてバスが到着しそのドアが開く
「ラッキー・・・しかもすいてる。寝てやるぜ!」
これから寝られることに歓喜し、さっきよりも軽やかな足でバスに乗り込む
『当バスは・・・巡回、・・・経由でして・・・』
毎朝のように聞こえる運転手のアナウンスを聞き流しつつ少年はイヤホンを耳に当てる
音漏れを配慮しつつ軽快なJ-POPと共に自分の世界に入り込み、いざ夢の世界へ、と思った時だった
「きゃーっ?!」
車内で悲鳴が鳴り響く
突然身近で人が叫んだらどうなるか?答えは、簡単
「何があった!?」
自分の知識欲が働き、原因を確かめたくなるものだ
しかし、この場においてそれはどうやら逆効果のようだった
覚醒した意識でしっかりと目を見開き悲鳴の元を見てみると、黒い帽子を深くまでかぶった中年程の男性が片足で、立っている
その横では、おそらくさっきの悲鳴の主であろう女性が肩を押さえてうずくまっているのが見える
「アァ?みてわかんねぇの?」
「え、あ・・・」
良く見ると、その男性の地についてない足には何やらきらきら光る物、おそらくガラスが舞っていた
まるで、蝶のように
「へ、変革者・・・っ!?」
人生の終わり、いやこの世の終わりかのような顔をして少年は席に崩れる
変革者――――
約1000年前に突如として発生したDNAの突然変異が原因とされ、変異したものは姿かたち共に人となんら変わらないが、特殊な能力を扱えるようになり、その人たちを人類は変革者として恐れながらも受け入れている
しかし、中には力に溺れ犯罪に走る者もいるとか・・・
「さ、て・・・運転手さんや、俺の暇つぶしに付きあってくれや!」
運転手を睨みつける変革者
しかし運転手は・・・
「っ!誰が!!」
そういって懐から銃をとりだし――
「そんなおもちゃ如き・・・!」
鮮血と共に銃は少年の足元に転がる
そして、運転手の片腕は、切り落ちた
「う、あぁぁあああ!?」
悲痛な叫びがこだまする
バスジャック対策としてスタンガンの携帯が許可されている運転手だがその勇気があだとなったようだ
「おいおいおい・・・運転手さんヨォ、ちゃーんと運転しなきゃこのバス、事故っちゃう
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