心を閉ざす少年
狂気
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皆が呆然としていた・・・
ISが、あんなに簡単に分解できるとは思わなかっただろう。
「や、やめろ・・・来るな!!」
その時、ラウラは完全に怯えていた、伸びてくる手に。
次は何処を分解されるのだろうか・・・
装甲?・・・武器?・・・・・・・・・・・カラダ?
ニタニタと笑う彼方には、もう以前の彼方の面影は無い。
彼方は無情にも手を伸ばす・・・
その時、何かがラウラと彼方の間に飛来した。
彼方を吹き飛ばし、ラウラを守るようにしている。
「やれやれ、これだからガキの相手は疲れる。」
その人物は、織斑千冬(世界最強)だった。
吹き飛ばされた彼方は再び立ち上がると思われ、千冬は構えた・・・
しかし、彼方は苦しんでいた・・・頭を押さえ、演技でもなさそうだ。
「ぐっ・・・があああああああああああああああああああぁぁaaaaaaaa◆hdsfewh▲euhjahfje■lwfiuhreue●pigwbk◆mhw▼efdiafoa!!!!!!!!!」
言葉にはどうにもならない言語を発した後、彼方は呻きながら倒れた。
「彼方!!」
その様子を見ていた簪は、すぐさま彼方の元に駆けつけた。
皆は引きとめようとするが、
簪はさっきの言葉にならない言葉の意味を理解していた。
この世の言語には聞こえない発言の後に聞こえた最初の一文字を全てくっつけると・・・
『help me』
確かに言ったのだ、彼方は。
「助けて」と、壊れ行く自分を押さえつけてまで・・・
簪は、なぜこんな特殊暗号がわかったのか分からない。
だが、
助けたかった。
無意識とはいえ、自分の日常を変えてくれた彼方を。
守りたかった。
自分の苦悩の原因の姉を遥かに超える才能を見せてくれて、自分にも可能性があると教えてくれた彼方を。
戻したかった。
狂う前はとても強く、魅力的だった彼方に。
戻りたかった。
また、彼方が本物の笑顔になれる日常に。
その少女は、彼に何度も救われている。
その物語は、誰も見ていないかもしれない。
無かったのかもしれない。
けれど、その少女は此処にいる、彼も此処にいる。
でも、その物語は止まってしまった。
その物語を少女は進めなければならない。
さあ、物語の再開だ。
狂った少年を戻すべく、少女は少年の頭に語った。
意識が途切れたが、少女と少年はそのとき、ある意味で繋がっていた。
{取り戻さなくちゃ・・・彼方を!!}
少女は電脳世界で狂った彼・・・ではなく、鎖に縛られ、枷に囚われた『本物」の彼に向かった。
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