二十五章
出陣の下知と陣立て発表
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いると思うが、気を付けろよ光璃」
「・・・・(コクッ)」
小さく頷いた光璃を合図に、皆が一斉に姿勢を正した。我らの衆は創造神の陣立てにて決したので、京都を守護するために我達は行く。この手で鬼を駆逐し、新たな歴史の一歩という事だったが、最終決戦後がどうなるかを知った為に無言となっていた。
「最終決戦時まで時間は余り無いが、皆の命は我らが預かる事になった!皆の命を糧にし、我らの力となれ!」
兵達の咆哮は勢いと熱情と覚悟に満ち溢れてた。いつまでも続く雄叫びの中で、我みたいな神々しい衣服に身を包んだ侍女達が三方を捧げて久遠達に近付いた。三方には打ち鮑・かち栗・昆布が載せられ、かわらけが添えられていた。ちなみに出陣前の三献の儀でもあるからか、かわらけとは土器のようなもんで我ら流で言うなら出陣前に酒が入ったコップを飲んでから地面に割る事があった。
『こちら側だとそうなりますが、久遠様側のだと一に打ち鮑、二に勝栗、三に昆布の順に食べるようですね。意味としては「敵に打ち、勝ち、喜ぶ!」と気合を入れて口にする。と歴史マニアがそう言っております』
『そのようだな。ブラック・シャーク隊流だと、酒をグビッと飲んでからガラス製のコップを割るんだったな』
「一真、あなたも食べなさい」
「あーんする・・・・?」
「それはそっち流なのだろう?我らにはそのような事はしないが、代わりにこれでするよ。奏に沙紀」
そう言ってから、縁起を担ぐ為の儀式であろうともこっちとは違うので断った。本来ならばあーんはして欲しいと言っては、美空と光璃はからかうような口喧嘩をする。美空もやりたかったそうだが、からかうのは面白いと言って光璃を性悪猫と言い頸を叩き落そうとしていたな。注がれた御猪口を三献、一気に飲み干した。我と奏に沙紀は同時に持っていた杯を地面へと割った。
「武田衆、先行する・・・・」
光璃は、俺らが先行するのも忘れてさっさと出発したのだった。ま、あれが光璃の交流方法だからな。
「一真は先に行っていると思うけど、気を付けてね」
「美空に言われる程、我は弱くない。まあ護法五神の強さを更に増したが、乱発だけはするなよ?」
「何か私の気が強くなったのもその所為かしらね。そっちで合流後に、あなたの奥方衆の力を見せて欲しい所よね。・・・・久遠、先手、動くわよ」
「ああ。・・・・武運を」
「お互いにね」
光璃と同じように三献を飲み干した美空が、長尾衆を率いて先行する。俺らは既に飲み干したので、あとはトレミー3番艦に乗ってから数分で到着する京。四方八方を囲んだ俺達は、連合が到着するまで京から漏れないようにするのが第一プランだ。連合軍はそれぞれの役割を果たす為、甲斐を出発し山城国へと駒を進ませる事となった。
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