二十五章
出陣の下知と陣立て発表
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
府だが、越前には江北衆の大半を当てとしているが京攻めの衆に関しては、最低限に絞る予定だったのだが駿府への手当は残念ながら不充分だと確信した。なので松平衆は下山城の武田衆と連携し、駿府の封じ込めを頼みたいのだがよろしいか?」
「・・・・松平衆は主戦場ではなく、後ろを守れという事ですか?」
「後ろな訳があるか。我達の背中だ、葵」
「・・・・・」
「京の主戦場は最小限の犠牲を払うが、それでも犠牲になる者もおるだろう。もしもがあるかどうかは分からないが、我達が倒れた後の事も策の一つとして考えなければならない。その為に松平衆は駿府封じ込みを頼みたいのだ。やれるか、葵」
「・・・・・」
同じように無言となってしまったが、それはしょうがない。最前線ではなく駿府の鬼を封じ込める事も重要な任務であるが、我の問いかけに即答を避けて葵は目を閉じて沈思の姿勢を取った。まあ松平衆にいる足軽達も夜叉だからそこだけは安心している。数分の沈黙により、何を考えているのかは我であっても分からぬ事は分からない。葵は黙り続けたが、答えを見つけたかのようにして口を開いた。
「御下知に従いましょう。松平衆は遠江に布陣し、駿府封じ込めを行います」
「申し訳ない」
「・・・・一真隊となった本多、榊原、服部が居ますれば、松平として弓矢の名誉は守られましょう。甘んじて、御下知に従います」
「うむ。もしもの事となったとすれば、葵に任せる」
「はっ」
「久遠達が倒れた先、日の本の未来を任したい」
「御意。皆様のお背中を、松平衆は命に代えてもお守り致しましょう」
そう言って頭を垂れた葵の表情は、窺い知る事は出来なかった。が、もしも久遠達が倒れたとしても我達がいるし仮に死んだとしても蘇生させる事も出来る。でも今ここでは言わない方がいいと我は思ったのだ。まあ主戦場に参加出来ない事を悔しいのかもしれんが、戦況はいつ変わるかは可笑しくない。元々松平衆は金ヶ崎で大きな痛手を負ったが、今の松平衆は戦力温存出来たと言う事になりうる。
『やっぱり私や詠美ちゃんのようにはいかないんだね』
『まあそうでしょう。ちゃんとした歴史でも松平の殿であって、後々徳川家康になる者の考えは分からないわ』
『そりゃそうだろうな。だがこの日の本の未来などは、存在しないのだからな。エーリカとの決着がついた所で、最終局面を迎える事になっている。大量のドウターによる破滅した外史は、いくら俺でもそれを止める術はないのだから』
俺は吉音と詠美に話していたが、やはり葵の考えを読む事は出来ないな。とまあそう言う事で、最後に武田衆の下知を下す事となった。
「では最後に!武田衆への下知を申し渡す!」
「下知とかって、先手も本陣も他家に取られて、他に何を
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ