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時間停止で異世界ファンタジー
第四話
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やけくそだった。
そして世界は止まった。







「たすか、った?」

言うなれば白黒写真のような世界になっていた。僕が叫んだ瞬間、棍棒を振り僕を殺そうとしているデブの動きも松明の火の揺らぎも辺りに漂っていた埃すら時間を止めていた。

「これが、時間停止か」

詳しい発動条件はよく分からなかったけど、「止まれ」と言った時言葉に表しづらい妙な違和感を身体に感じた。つま先から上の方に静電気が走るみたいなそんな感じの。まぁ、よくわからない。

「でも、凄いなこれ。ホントに止まってる」

目の前のデブの身体をペタペタ触ってみる。
そこそこにゴツい。
後ろに回ってみるとさらに大きく感じるデブの背中。

「思いっきり緑色の肌なんだ。まさにファンタジーって感じ」

ひとしきりデブをペタペタしたので、今度は近くにいた金髪おっぱいを見た。
名前とか人となりとか全然知らないけど、美人はやっぱり大切に扱わなきゃだ。そうだよね、太郎。
僕は項垂れた彼女を抱き上げてデブから離した。壁際に寄りかからせる。多分聞こえてないだろうけど、僕は彼女の両肩に手を置いてその目を見た。

「僕、頑張って貴方を助けますね。貴方みたいな人が豚に犯されてるのは個人的に需要ないので」

あと早く危機から脱して眠たいので。

「じゃあ休んでて下さい」

彼女の目から溢れそうで止まった涙を指で落として

「三鳩三戸、いきまーす」

尻ポケットからナイフとフォークを取り出した。


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