第三話
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彼女は優秀だった。
その優秀さゆえに慢心していたのだろう。
「くっ……私に何をするつもりだ!この鎖を外せ!」
「ブヒッ、外すわけないだろ!これから存分にお前を楽しむんだからな。まさかあんな小細工に引っかかるとは思わなかったけどなぁ?ブヒッヒッヒッフガッ!」
緑色の巨体に豚の顔。
右手に持つ凶悪の棍棒。
盗賊団の頭、デーブは下卑た声で笑った。
「人間は本当に愚かだな。人数を連れて来れば俺の首くらい騎士ならどうってことなったろうに。なぁ?アスター国騎士隊長様ァ?ブヒッヒッヒッ、フガッ」
「クソッ……!」
彼女は歯噛みする。
実際こうなってしまったのはデーブが言った通りなのである。
デーブ率いる盗賊団は150人を超える大規模な盗賊団だ。
だが彼女が連れてきた騎士隊の部隊総勢30名。明らかな人数差である。
これは一重に彼女の慢心が原因だ。勝てると思っていたのだ。
苦しい修練を積み重ね、確かな実力を持つのが騎士だ。そこらの盗賊などには負けなどしない、と自負していた。だがそんな意思はゴミだと言わんばかりに、彼女は捕虜となり、部隊の騎士たちは全員皆殺しにされた。その時間、半刻も要さなかったかもしれない。
皆殺しになってしまった騎士達には恨まれているはずだ。彼らには家族が、友人がいた。もし生きて帰れても残された彼らの家族や友人には死ぬまで恨まれるはずだ。
絶望、どうして慢心などしてしまったのか。
後悔、オークに捕まったら最後、男は殺され、女は狂うほどに犯されたあと殺される。
恐怖、全てが津波のように一気に押し寄せ、気がつけば涙があふれていた。
「……うっ……怖いよ……母上……たずげで……だずげで……」
「ブヒッヒッヒッ。泣き顔中々にそそるなぁ。お前は死ぬまでおれが犯してやるからよ。ブヒッヒッヒッ、フガッ」
デーブはそう言って彼女に近づいていく。
そしてその白く細い右腕と豊満な胸を緑色のゴツい手が掴んだ。
「い、いやぁぁああ!たずげで誰かッ!だずげでぐたざいいい!」
「ブヒヒッ!かなりでけえ胸をしてやがる。殺すのに惜しいくらいだ!奴隷にして一生やり放題にするのも悪くねえ。フガッ」
「……や、やめ、やめてください……お願いします……やめて下さい……」
「ヒヒヒッ、そういわれると奴隷にしたくなってくるぜぇ!んじゃ早速服を破いていっぱつ……ん?」
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