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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第171話 ただの犯罪者
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もしれない。だが、この世界では、この時の流れの世界では、彼はこの時、死銃の半身に今回の事を言わなかった。
この男は、ただ……彼女の姿を眺めていた。
淡いブルーのショートヘアの少女。
マフラーを装着しているせいで、口元が見えず残念だ、と考えていたのだ。ゲーム内で直接彼女を見た事はあった。マーケット街で買物をしている彼女、路上で、公園のベンチで屋台売りのホットドックを齧ってる姿。
そして、戦場では巨大なライフルを背に疾走する姿。
そのどれもがこの男に所有欲を掻き立てずに置かない。常に笑顔をみせる事なく、瞳の奥には常にある種の憂いが満ちているのだが、それをも、この男を惹きつけてやまない。
その少女の名前は《シノン》
この冥界の女神はGGO内部では知らぬ者はいないほどの有名プレイヤー。
死銃伝説の花として捧げられるのに相応しい存在は他にはいないだろう。
だが、迷っているのは事実だった。ゲーム内だけにとどまらず、現実で身も心も、彼のものになってくれるのなら、と。
だが、彼女が今夢中になっている相手が居る事を知っている。彼女が盲目に見続けている。その目を覚ませてやる事に迷いはないのだが……、それよりも、先刻に言った様に花に添える事を優先させようとするだろう。
……もう1人の死銃、死銃の片方の腕は、彼女の死を望むだろう。
だから、今だけは、彼女を愛でる。指先でそっとシノンの写真を撫でた。
つるりとした光沢パネルの感触に、彼女の、生身の少女の柔らかさと暖かさを感じていた。
だが、ノイズがまだ走り続ける。そのノイズは、彼女を触れる時すら、邪魔する。
――お前はただの犯罪者だ。
愛でる事を邪魔する。
――犯罪者。力などない。
「……いやある」
――今のお前に、だれかを愛でる資格などない。ただの犯罪者に。
その声は、幻聴となり、耳元で囁かれる。あの時のあの姿も。
――……続けるのなら、煉獄へと堕ちる。それは確実だ。
「黙れ!」
その幻聴に向かって怒声を思わずあげてしまった。……今日が1人だった事が幸運だった。家中に聞こえる様にでかい声だったから。
〜ALO内 アルン周辺フィールド〜
その日は、約束があった日だ。
あの時、レイナに例の件を告げ、大層驚かれた約1週間後。アルンの街で支度を整え、フィールドへと出た。
メンバーは 《シリカ》《リズ》《リーファ》《リタ》《アスナ》《レイナ》《キリト》《リュウキ》だ。
今日の目的は狩りもあるが、純粋に集まろう、と言う事
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