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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第486話】
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の姿が映り込んだ。


「……完全無欠の……ヒーローなんて、いない……」


 そう言いつつ立ち上がろうとする一夏だが、ダメージが大きいのか立ち上がれなかった、だが言葉は止まることがなかった。


「完全無欠のヒーロー何て奴等は……泣きもしなけりゃ、笑いもしないからな……」


 その言葉に、簪が最近見た特撮ヒーロー物の番組を思い出す――と、そこで頭上から轟く様な声がアリーナに響き渡った。


「それは違うぞ、一夏!! 完全無欠のヒーローは居ないが……泣きも笑いもしないヒーロー何て、居ないんだッ!」


 頭上から轟く声の主はヒルトだった、戦闘を続け、防戦一方の状態だが更に言葉を続ける。


「ヒーローが泣かないのは! 泣いたからといって事態が解決するわけでもなく! 大切な人が帰ってくる訳でもないって事を知ってるからだ!」


 防戦一方のヒルト――だが、ここから反撃に出る。

 紅い機体の肩や腹部にギガント・マグナムの一撃を叩き込み、相手の剣撃はその場での高速スウェイで避けきった、日頃から行っていた瞬間視の特訓が身を結んだ結果だ。


「そして……! 笑顔は……全ての戦いが終結するまで、とってあるんだ!」

「……!?」


 ヒルトの言葉に、さっき思い出したヒーロー番組を思い出した。

 完全無欠で、泣きもしないし笑いもしない孤高のヒーローだったが、全ての戦いを終え、もう戦う必要が無いと感じ取った彼は最後に笑顔を見せて番組を締め括る――。

 痛みで動き回るのも苦痛の筈なのに、皆に応える為に戦うヒルトの姿が、簪には一筋の光を照すヒーローに見えた。

 だが光は幻ではなく、ヒルトの機体、イザナギがまるで主に応える様に発光を始めた。


「俺はヒーロー何かじゃない、ちっぽけな人間だ。 今でも……恐怖で逃げ出したいって気持ちがある! だけど! ここで逃げたらッ! 助けに来てくれた理央や玲、セラ、しずねに顔向けが出来ないッ!! 俺の身代わりになった雅に対しても申し開きが出来なくなるッ!!」


 まるで痛みを感じてないかのような怒濤の攻撃――否、ヒルトの負っていた傷が徐々に、徐々にだが癒されていった。

 堪らず上空へ上昇する紅い機体だが、未来はそれを見据えていたのか急上昇を妨害するようにライフルによる斉射を行った。


「そう簡単に逃がさないよ! ――はぁあッ!」


 妨害を行いつつ、未来は襲撃者に一撃を浴びせた。

 そんな未来の機体、天照もまるでイザナギに呼応するように光を放っていた。


「オラァァアッ!!」

『!?!?!?』


 頭上をとったヒルトのハンマースローによる一撃――奇しくもさっき理央に与えた一撃のお返しと謂わ
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