暁 〜小説投稿サイト〜
IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第486話】
[3/5]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
「……無事に帰ってこいよ、お前が死んだら悲しむ奴は大勢いるんだからな……」
そう言って玲もアリーナから離脱する、吹き飛ばされた紅い機体は瓦礫をはね除け、真っ直ぐと俺を見据えていた。
三枚刃が展開されると同時に背部ブースターが大きく可変展開し、真っ赤な粒子を放出させた、まるで怒り狂う獣の様なその姿にゾッと鳥肌がたち、額から汗が滴り落ちる。
更に展開された三枚刃からは青白い粒子の刃が新たに形成され、その異様差を引き立たせていた。
痛みすら忘れる程の威圧感――一瞬の間を置き、紅い機体は俺に強襲を仕掛けてくる。
「……速いッ!?」
加速力がさっきよりも上がっていて、一気に間合いを詰めてきた紅い機体は射程距離に俺を捉えた瞬間、直ぐ様両腕のブレードによる連撃を繰り出す。
それに応対するように俺もギガント・マグナムの拳で防御、青白い粒子の刃がギガント・マグナムの表面を傷付けるも何とか堪えきる。
――しかし、機体は無事でも俺の身体ダメージは深刻だった。
そんな俺の状況を見た簪が、姉である楯無の身体を抱きながら叫ぶ。
「やっぱり………やっぱり、無理なんだ……! 勝て……なぃん……だ……」
目に涙を浮かべ、傷付いていくヒルトや未来、既に倒れている一夏や箒、楯無、救援に来た他の子達がやられていくのを見て絶望の声を漏らした。
そんな簪の声を聞き、弱々しく目を開け、楯無は彼女の頬を撫でる。
「……無理じゃ……ないわ、簪……ちゃん」
言ってから笑みを浮かべる楯無、そんな楯無の言葉にかぶりを振りながら――。
「無理だよ! ……皆、ボロボロになってる……! ヒーロー何かいない……わかってても、私、は……ヒーローに助けを求めちゃう……! でも! 現実は残酷なんだよ! この場を救ってくれるヒーロー何か、いないんだよ!!」
矛盾した簪の言葉、一度はヒーローは居ないとは思ってもやはり奥底ではこの窮地を助けてくれるヒーローがやって来てくれるかもしれないという甘い考えに、簪は自身に嫌悪した。
だが、簪の言葉を否定するのではなく、楯無は――。
「そう、かしら……? ……本当に、ヒーローは……いない?」
大粒の涙が落ち、楯無の頬を濡らす。
楯無の言葉に、簪は目を見開き、頭上で戦いを繰り広げているヒルトの姿が映り込む。
機体は新型で傷は無いものの、その身体ダメージは他の人間が見ても明らかな程深刻なダメージを受けていた。
その姿に、子供の頃に見たヒーロー番組が脳裏に過ったその時。
「…………いない、さ……」
「え……?」
小さな否定の声に振り向く簪、向いた先には倒れていた一夏
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ