『Detain』
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貴男から逃れられた日は毎日毎日走り続けた。
明け方から何km全力疾走したかな。
荷物を置いたらグラウンドも走り続けた。
放課後になって、陸上部が終わっても理由無く走り続けた。
何も考えなくて済む。
ただひたすら走り続けた。
なのに何故涙は止まらないのか。
朝方の蒼空は寒々しくて、なんだか本当に悲しくなるんだ。
夕方の蒼空は温かくて、なんだか本当に優しくなるんだ。
逃れられるのは一瞬。
戻れば、また逃れられる迄は檻の中。
だから、今だけは春の温もり感じてたい。
躰をいくら拘束されても、感情迄は拘束されない。
勝つ為には強く在り続けるしかないと解った。
やっと誰かを信じたいと想えたから、僕は悪魔に打ち勝つ。
何をどうされても泣かない。
静かに耐え続ける。
そんな僕を見て悪魔はエスカレートする。
僕は逃れられる日迄、耐え続けた。
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