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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第170話 過去の闇
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少しは前に進めたと思う。
そして、2日前。
新川が言っていた様に、ベヒモスを倒せた事、かつてまみえた中でも間違いなく上位に位置する強者を死闘の末に撃破する事が出来た事。
……その後の妙なイレギュラーは置いといたとしても、その一際強い火力で心を鍛えてくれた様な気がした。
あのベヒモスと言う男は、パーティー戦では殆ど無敵と言われていたらしい。これも新川の情報だ。……だが、自分の中で最強の二文字を兼ね備えているのはあの男だけだ。
でも、それでも確かに、彼の圧力、胆力は凄まじかった。
何度も脳裏に、あの所属していたスコードロンの皆と同じように蜂の巣にされ、死を覚悟したか判らない。でも、最後には勝利を力ずくでもぎ取ったのだ。
――だから……、もしかしたら。
詩乃の脳裏に浮かぶ。今なら、
あの記憶
(
・・・・
)
と正面から向き合う事ができるかもしれない。そして、先ほどからまだ胸の奥に燻り続けているこの何かとも真剣に向き合えるかもしれない。
詩乃はそう思うと、じっとデスクの引出しを睨み続けた。
そして、そのまま睨み続ける事数十秒。足早にデスクに駆け寄ると、数回、深呼吸をして、背骨のあたりを這い回る怯えを自身の外へ追いやり、意を決する。引出しを引っ張り出し、その中にあるモノを確認した。
引出しの中に入っているのは、数点の筆記用具を小分けにした小さな収納ボックス。そして、いっぱいにまで引出しを引っ張り出すと、それは見えてきた。
鈍くブラックに輝く、小さな――おもちゃ。
それは、プラスチック製のモデルガンだ。
だが、作りは非常に精緻で、細かいヘアライン仕上げの施された表面などは金属にしか見えない。これは、あのBoB本選に進出した者に与えられる参加賞。
届いた当初は、箱に収められており大丈夫だったが、開封する決意を固めるのに時間を要した。
そして、中身を取り出したと同時に嘔吐してしまったのだ。記憶の奥へと押し込める様に、このモデルガンも机の引出し奥へと押しやったのだ。
――だけど、あの時とは違う。
この銃、もしくはGGO内でアイテムや賞金にするか、選択する事が出来た。だが、詩乃は合えて、現実世界で銃を求めたのだ。荒療治の効果を確認する為に、いつかは必ず現実世界で、触る必要が出てくるから。
詩乃は震える手で、そのモデルガンのグリップに触れ、握り持ち上げる。
流石は、GGOでの参加賞。おもちゃとは言え、プラスチックとは言え、重量感が備わっている重い手応え。
そして、何よりもこの冷たい部屋の冷気を吸っているのか、凍る様に冷たい。
この銃の名前は《プロキオンSL》。
現実世界に存在するコピー品ではなく、ガ
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