箱庭の世界
人外と童女と紅白が異世界からやってきたそうですよ?
[8]前話 [1]後書き [2]次話
別世界にいる彼女等は、まるで狙ったかのタイミングで同時に手紙を読み上げる。
『悩み多し異才を持つ少女に告げる。
その才能(ギフト)を試すことを望むのならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、
我らの“箱庭”に来られたし』
三人が全く同時のタイミングで手紙を読み終えた。
その瞬間。
3人は突如として空中に投げ出された。
「お?」
「えっ」
安心院と霊夢は空を飛べる。
だがしかし、余接だけは飛べないに等しい。
「随分過激な歓迎だね。」
安心院は飛翔するスキル『闘士の翼賛』チアファイターズで飛翔し、霊夢は『空を飛ぶ程度の能力』で飛ぶ。
悲しい事に、余接だけが落下していった。
「あの子飛べないみたいだよ?」
「全く、仕方ないわね・・・」
霊夢は余接を抱え、ゆっくりと地面に降ろす。
「・・・さて、此処は何処だろうね?」
安心院が二人に話しかける。
「知るわけないでしょ。それより、あんた達にもあの変な手紙が?」
「そうだぜ」
「そうだよ。いえーい」
余接は無表情で横ピースをした。
彼女達からほんの少しだけ離れた茂みの中に、ウサ耳の少女、黒ウサギはそっ、と彼女達を見やる。
「それにしても、一癖も二癖もありそうな方達ばかりですね・・・」
「で、呼び出されたのは兎も角・・・説明してくれる子はいないのかい?」
「さぁ?私に聞かれても知らないわよ」
「ならそこにいるお姉ちゃんに聞けば?」
余接は黒ウサギが隠れている草むらを指さす。
「だね。ちょっと驚かしてやるか。」
安心院は『刀を精製するスキル『見囮刀』ソードルックス』を使い、精製した刀を黒ウサギの足元目掛けて投げた。
「ちょっ、刀は反則です!暴力反対なのですよ!」
黒ウサギは自慢の脚力で避け、慌てて三人の前に飛び出す。
「・・・ウサギ人間?」
「コスプレか何かかい?」
霊夢と安心院がマジマジと黒ウサギを見る。
「あうぅ・・・暴力反対なのですよ!?」
「・・・えい」
余接は黒ウサギのウサ耳の片方をぐい、と引っ張る。
「ふぎゃあ!な、何をするのですか!」
「お、本物なのかい?じゃ、僕も」
同じ様に安心院も反対側の耳を引っ張る。
「ふぎゃぁぁあ!!や、やめてください!」
「あら、面白そうじゃない。」
霊夢はニヤニヤと黒ウサギを見ている。
「や、やめてください!黒ウサギのウサ耳はぁ・・・」
「「えいっ」」
二人が強く耳を引っ張る。
「ふぎゃぁぁああああああ!!」
黒ウサギの絶叫は、異世界中に響き渡ったのであった。
[8]前話 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ