15部分:第十五章
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もわかっている。
「その裏にある爛熟と退廃も」
「まるで腐りかけの果物みたいに。美味しいから」
「腐りかけの果物、ね」
実は沙耶香もそれは嫌いではない。彼女は爛熟した果物を食べることが好きなのだから。葡萄も梨も無花果も。そして女の子も。彼女は食していくのである。
「言いえて妙ね。あの世界はね」
「この街自体がそうだけれど」
「この爛熟と腐敗。まだまだ食べていたいのよ」
「ではそれの邪魔になるのなら」
「悪いけれどそうはさせないわ」
今度は紀津音が前に出て来た。
「若し依頼主に言うのなら」
「私達だって考えがあるわ」
「交渉決裂ね」
沙耶香はその言葉を受けて右手に何かを出して顔の前で構えた。それは一輪の花であった。
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