第三十七話
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「ちなみに、このカメラは廃校舎側から撮影しているんだよな。学校の生徒なら、みんな知ってる。この道は一本道で、この先には廃校舎以外何も無いんだよな。さてさて、嘘つきの月人君、君はどう答弁するのかね」
しばらくの沈黙。何も言えない。漆多を見ることもできない。どうしたんだよ……俺は被告人席に立たされている。蛭町達をぶちのめしにきただけなのに……。
「そ、それは……」
言葉に詰まる。本当の事を言うべきか、それとも誤魔化すべきか。まだ決定的じゃない。決定的じゃないからなんとか誤魔化せるんじゃないのか? そんな誘惑に駆られそうになる。
でも、そんなの駄目だよな。今まで隠してきたのも駄目だけど、この期に及んでまだ嘘をつこうなんて無理だよ。嘘に嘘を塗り固めたってすぐにぼろが出るだけだ。
それにこれ以上、友達に嘘はつけない……。嘘がばれて友達を失うより、本当の事を告白して友達を失う方がいい。
「実は、」
俺が告白しかけた時、かぶせるように漆多が唸るような声を出す。
「もう、嘘はやめろぅ。……全部、蛭町君から聞いたんらよ。彼のお父さんは警察にも顔が利くみたいれ、いろんな情報を知っているんだ。そして何もかも教えてくれた。写真も見せてくれらんよ。……お前が廃校舎に行くところ、寧々が同じく行くところ。廃校舎の惨状。そして、寧々の遺体。……本当に素っ裸だった。ただの噂だって思ってたんだ。そんなことする子じゃないって俺は信じてたんだ。でも、証拠を見せられて、俺は気が狂いそうだった。何かの間違いだって。……れも、そんなの甘い幻想でしかなかったんだな。……何を信じたらいいんだぁよ。俺は、俺は、お前の事だって信じていたんだぞ、この裏切り者、馬鹿野郎がっ……」
その言葉が心に突き刺さる。
痛いよ、……殴られるよりずっと。
「違う……」
「何が違うっていうんだよ。お前と寧々は廃校舎に放課後待ち合わせていた。そんで、あそこはラブホ変わりに使われていた。じゃあ結果は明らかだろ。糞っ、やったんらろう? お前ら。 お前と寧々は俺を裏切ったんらよ」
「じゃあ如月は何であそこにいたんだ」
「そ、それは」
俺と寧々が逢い引きしていたのなら、なんで如月が全裸で発見されたんだという問いに、漆多が戸惑う。そう計算が合わないのだから。
「そんなのどうでもいいんじゃないのか? 漆多。まずはこいつが日向とどうだったかが大事だろ? そこをきちんと確認しておかないといけないんじゃないの? 」と、蛭町が口を挟んでくる。「もう結論は出てるだろうけど、な」
「そうだよな。……月人、正直に答えてくれよ。お前と寧々は、本当に会っていたのか? 」
俺は力なく頷いた。
それを見て漆多は大きなため息をついた。
「やっぱりか。……でもどうしてな
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