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転生とらぶる
マブラヴ
1072話
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の腕を軽く引っ張って注意する。
 何だか、随分と慣れている仕草だな。
 そんな風に思ったのは俺だけではなかったのだろう。千鶴もどこか嬉しそうな笑みを浮かべつつ口を開く。

「あらあら、夏美ちゃんも随分とお姉さんっぽく……いえ、姐さん女房っぽくなったわね」
「ちょっ、ちづ姉!?」
「うん? 何の事や?」
「な、何でもないの。ほら、小太郎君は他の事に……」
「そうね、はいこれ。小太郎君達にお土産よ。ホワイトスターの交流区画で売られているたこ焼きだけど、美味しいわよ? 夏美ちゃんと2人で仲良くあーんをしながら食べてね?」
「ちづ姉ーっ!?」

 ウフフフ、とした笑みを浮かべて全力で夏美をからかっている千鶴。

「な、何というか……色々と突っ走っているでござるな」

 額に微かに汗を浮かべた長瀬がそう告げてきた。

「久しぶりに夏美と会って、色々と振り切れてるんだろ」
「いや、この前海で会ったばかりでござるよ?」

 たこ焼きうめーっ! と叫んでいる小太郎を眺めつつ、長瀬と会話を交わす。

「今回はこっちの揉め事に付き合わせて悪かったな」
「いやいや、上の方からもきちんと話が通っているでござるし、シャドウミラーと行動を共にするのは拙者も色々と勉強になるでござるからな。寧ろ、こっちからお礼を言わせて欲しいでござる」

 ニンニン、といつものように笑みを浮かべて告げる長瀬。その顔には、数秒前に浮かんでいた汗は既になく、どこか父親のような表情で夏美と小太郎を見守っている。
 ……母親ではなく父親と表現しても違和感ないのが、長瀬の凄いところだよな。

「アクセル君、じゃあそろそろ行きましょうか?」
「……もういいのか?」
「ええ。出来ればもっと夏美ちゃんと遊びたかったんだけど、時間もないでしょう?」

 夏美と遊ぶじゃなくて、夏美で遊ぶというのが正しいような気がするんだが……その辺は言わぬが花って奴か。

「ちづ姉……」
「あらあら、夏美ちゃんも大学生になったんだからもう少ししっかりしなきゃね」
「何言ってるのよ。ちづ姉の落ち着きっぷりが年齢に……」
「夏美姉ちゃんっ!」
「オホホホホホ。何か言ったかしら?」
「う、うわっ、ごめん。何でもない、何でもないってば。ちょっ、小太郎君私を盾にしないでよ!」
「せやかて、千鶴姉ちゃんを怒らせるのだけは勘弁や」

 相変わらずなやり取りに、思わず苦笑を浮かべる。
 千鶴、夏美、小太郎。……そしてここにはいないけど、あやか。この5人で暮らしたのは本当に短い間だったが、それでも俺の中では楽しかった思い出として深く残っている。

「アクセル殿、そろそろ移動した方がよいのではござらんか? 色々と注目されてるでござるが……」
「っと、そうだった。思い出に
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