14部分:第十四章
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いるわよ」
次のカクテルを手に取りながらそれに答える。今度もまたコーヒーカクテルであった。
「それじゃあね」
「ええ、明日の夜」
「また会いましょうね」
声は消えていった。沙耶香は一人に戻った。一人に戻るとかえって寂しさが増すものである。
「さて、と」
またカクテルを飲んでから顔を少し上げた。
「今夜は女の子も男の子も側にいないわね。いるのはお酒だけ」
空になったカクテルのグラスを見下ろして呟く。その底にはコーヒーの黒が僅かに残って漂っていた。
「じゃあ。それに溺れるとするわ。この夜は」
そしてまた夜の色をした美酒を飲む。この日はコーヒーの味がする酒を楽しんだ。それに全てを委ねるかの様に親しんだ。次の日の宴のことを想いながら。
次の日は遅くはじまった。幕を開けたのは夜になってからだった。
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