彼とマケンとホッケー対決
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……とのらしい。
(にしても屋内プールか……水が張ってねえのはいいが、一体何するんだかな……)
そうこうしている間に屋内プールへとつき、皆体操服に着替え……プールを覗きこんだ海童は何故だか至極安心したような顔をして、同じく観戦目的らしいイナホやコダマに碓等と共にその縁へ腰かけた。
向こう側のプールサイドではうるちが得点板を持ち出し、穣華がホイッスルを持ってたたずんでいる。
「それでは〜、ルールを説明しちゃいまーす」
同じくホイッスルを持った楓蘭が海童らの後ろへ到着したのを見やり、穣華は間延びした口調でプール内にいる春恋、アズキ、チャチャ、ヤン・ミン、デミトラ、シリアへ声を掛けた。
……やる気満々なのが二名、何時も通りなのが二名、明らかに乗り気でないのが二名と、各チーム毎見事に分かれているが……誰が誰なのか言うまでもあるまい。
「今回行うのはホッケーに似た競技です。そのモップ型スティックを使って、パックを打って相手ゴールにいれる事で得点となります。ただし〜、シュート可能位置は五メートルラインより後ろ、スティック等で危害を加えたり身体でパックを打つのは反則といたします。 プレイ時間はニ十分。メンバー交代は何度でもOKでーす」
モップ型スティックというのが少々気になり、もしかしたら? と有る事を考え付いたった海童ではあったが……まあ、多分アイスホッケーと人数や抗議場以外さして変わらなかろうと、それ以上は深く考えず首を回す。
「へぇ、中々に面白そうな事をしているじゃあないか」
と……彼等の後ろには何時の間にやら、新たに教師となった赤耶が佇んでいた。
――――ビキニタイプの水着一丁だったのには、如何してか誰も突っ込まない。
「……よろしいのですか? この試合に私達が勝てばマケンキ加入が白紙に、『Venus』が勝てば一学期の活動が休止になるのですが……」
「ん〜、確かに困る事は困るね。けど、このルールだとどちらの結果も出ないんじゃあないかな? ……付け加えるなら、流石豊ちゃんの妹さんらしい計算高さだと言えるかもね」
赤耶の視線はモップ型スティックとパックで往復しており、顔には微笑が浮かんでいる。
「近々プール開きもあるからのぉ……どうせ何だかんだ理屈を付けて、プール掃除をさせたいだけじゃろう」
「プール楽しみですね?」
「うんうん! とってもっ?」
「……ハァ……この人達は……」
楓蘭が落ち込むのと同時、自らの予想が外れていなかった事を察して、また春恋が自分も観戦席が良かったと肩を落としているのを見て、海童は何も言えずに苦笑いしていた。
さて……各選手の位置取りも整い、いよいよホッケーモドキは始まろう
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