彼とマケンとホッケー対決
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鳴りつつズボンのポケットから『マケン』を取り出し、握っていた手を開いてその『マケン』が海童にも実にもよく見える様にする。
そして指三つで摘み上げ、此方へ差し出されるのにつられて海童も手を出す。
が、玄が海童の手を行き成りひっくり返して手の甲に『マケン』を当てたかと思うと―――
「!? いだだだだっ!?」
―――何と、音も立てずに体の中へと沈み込み、徐々に消えていくではないか。
しかも静かなクセして、痛みが発生すると言う要らないおまけつきである。
「な、何すかコレ!?」
「喚くなって、コレがお前の『マケン』なんだよ、海童」
「……や、でも身体の中に入って行きましたけど?」
ガレットの『サイス』、アズキの『ホーク』、イナホの『カムド』。
チャチャの『コンプレッサー』、季美『コミックスター』、栗傘の『フルメタル』。
うるちの『ペルセウス』、組の『ネフィーラ』、蛇山の『スネーク』。
特徴や能力こそ違う彼等の『マケン』だが、剣だったり鎧だったりアクセサリーだったりと、いずれにせよ何らかの形を取っていた。
だが海童に与えられた宝玉型の未知の『マケン』は、待機形態すら存在していない。
戸惑うのもごく自然といえよう。
「『マケン』には大きく分けると二種類でな? 外装型と内臓型ってのがあんだよ。外装型は多少相性が悪くても装備できる代わり、発動させないと意味がないから即効性が無ぇんだ」
「で、内蔵型は相性重視。相性が悪いと絶対に装備出来ない代わりに、常に発動状態となるから身体能力アップの面でも便利だよ。……そう言えば稀に持って生まれる奴も居るんだけっか」
「へぇ……」
やっと『マケン』が手に入ったのだという高揚感だけでなく、まだ授業でやっていない事を先に教えて貰ったことによる小さな優越感もある為か、海童の顔には自然と笑みが浮かんでいた。
「でも確か前に玄に教えて貰った能力だけど……相手が発動状態じゃあなきゃ意味なんだっけか」
「おう、だからこっちも力量が問われるな。ちなみにだ! 栄えあるソイツの名前はグレートマックス玄様スーパードライぶほっ!?」
矢鱈と長くてセンスの無い名前を、実が途中で口をふさぎ物理的に遮り、其方はもう気にせず顎に指を当て考え始める。
また息が止まって若干苦しそうではあるが、しかし奇妙な名前を付けられるよりはマシかと、海童も見ないように努めていた。
「能力を聞いた感じだと……そうね、”魔拳”『オーバーブロウ』ってとこかな!」
「俺の『マケン』……『オーバーブロウ』……」
新たな『マケン』――――『オーバーブロウ』が吸い込まれていった己の左掌を見つめながら、海童は実の言
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