彼とマケンとホッケー対決
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ぎて行った。
そして、ヤン・ミンのスティックにカコン、と収まった。
「は?」
「あ、スマンスマン。うち球技全般苦手やった」
「あの自信ありげな笑みな一体何だよ!?」
「コレは困った事になったネ? あ・ば・れ・ざ・る・さん?」
「“暴れ『鷹』” だっ!! えぇい、こうなったら私一人でゴールを割ってやらぁ!!」
「やー、スマンなホントに」
燃えに燃えるアズキの存在もあってか、そこから一進一退の攻防が巻き起こった。
アズキ一人で猛烈に走り回ってシュートしデミトラに留められれば、更に力の籠ったシリアの一撃を春恋は臆せず弾き上げる。
せめて妨害をと道をふさいだチャチャを壁を走ってヤン・ミンが乗り越えれば、アズキも負けじと高跳びの要領でパックを保持しつつ選手を飛び越える。
下手糞な事を逆手に取った不安定なフェイントでマケンキ組が決めようとすれば、いきのアンタ抜群のコンビネーションで『Venus』組もまた得点すべくパックを放つ。
アズキの尋常ならざるスピードについて来る、スピードとテクニックを併せ持ったヤン・ミン。
偶にベストタイミングで放たれる重いチャチャのシュート、それに勝るとも劣らない力を持つシリア。
天日最強と謳われし伊達ではない実力で鉄壁を誇る春恋に、全く見劣りしない防御力で堂々立ちはだかるデミトラ。
煌々と闘志を燃え上がらせる、見た目麗しく身は逞しき少女達。
「く、ここで止めるカ!」
「ちくしょう、またかよ!!」
「打てた! いくでぇ!」
「そーれっ?」
「……ふん」
「てっ!! ……早く終わってよ、もう……!」
―――が。
「……なーんかさっきから……焼き増しばっかじゃのう」
「うーん……同じシーンの繰り返し?」
「互角なのはいいですけど……互角過ぎて逆につまらないです……」
傍から見ているイナホ達は、もうとっくに熱を失ってしまっていた。
タダのスポーツ観戦なら実力がきっこうした試合ほど盛り上がるモノだが、如何せんこれはプール掃除にかこつけた勝負だ。
加えてのんべんだらりと観ているモノだから、やる気など微塵も湧かないのだろう。
海童も楓蘭も眉根を潜めているし、赤耶もちょっと苦笑いが入ってしまっている。
……依然として盛り上がっているのは、胸が揺れるたび歓声を上げている碓ぐらいだった。
「ハァ……ハァ……おいどうした? 息上がってる、ぜ?」
「ハァ……は、そっちこそ守ってばっかで、息荒いヨ?」
ほざけ、と表情ではそう返したアズキだったが……されど責められる時間が増えているのは事実だった。
何せチャチャはマグレ当たりでしか活躍できない為、実質二人で闘ってい
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