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俺が愛した幻想郷
俺は愛せる? 幻想郷...
式神の力ってすげぇ...
第二十話 少女は直ぐ消える
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「お腹壊すぞ... お前」

人差し指を口から離した少女は、また、ひたすら俺を見る行為を開始した。
お腹を壊す、という単語の意味をわかっていないようにも見える表情、頭に大きなはてなを浮かべているようだった。

一度ため息混じりの深呼吸をし、どうせ食べられるのだろうと覚悟していた最後のキャンディを見せる。

「噛み砕いちゃダメだ。舐めて溶かして食べなさい」

袋を取り、キャンディを渡す。

「あ、棒も食べちゃダメだぞ。そこのゴミ箱に捨てなさい?」

それだけ伝え、部屋から出ようとした。そのとき、手をかけようとしていた横に長いドアノブの先が勝手に下を向き、ドアが開いた。
地面から見始めた俺に見えたのは、人影、正面も見ると、そこには洗濯カゴを持った藍さん。

なんてグットタイミングな...

「琥珀?服洗っとい」

「藍さん!聞きたいこ」

同時に喋り同時に止まる藍さんと俺。
と、また同時に、

「あ、先どうぞ」

「あ、先いいよ?」

そして数秒の沈黙、ではお言葉に甘えて。

「そこにいる女の子... あれ?」

少女を指差すはずだった方向には、あの俺を見つめる少女はいなかった。
残っているのは、先ほどあげたキャンディだ。

「飴がどうかしたの?というか、そんなとこに置いとかないで食べちゃいなよ」

「いや、違う... キャンディじゃないんだ。あと、あれ俺が食べようと思ったわけでもないんだ」

キョトンと、首を傾げている藍さん。頭をガシガシと掻き毟る俺、なんか変な夢でも見ていたのか?とさえも考えてしまう。

「みかんの食べ過ぎでおかしくなったんじゃない?」

「そりゃあんたの所為だ!」

ケラケラと笑っていた藍さんが、何かを思い出したかのように、チャイナドレスと着物が合体したような服のポケットから何かを取り出した。
取り出した物を手の平にのせて俺に見せるように差し出すと、

「これ、紫様が、あげてこいって。前髪が邪魔そうだから…」

そう言いながら、藍さんは俺の前髪を持ち上げ、額に手を押し当ててから、先ほど見せてきた紫からのプレゼントの紫色をしたそれで髪を留めてきたのだ。

「これでよし。似合ってるよ♪」

藍さんのことだ、なんか変な付け方をしたのだろう… と思ったが、不意にまた藍さんがポケットに手を入れ取り出した手鏡を見せつけられ、確信した。

意外に似合ってる…

「えっと、ありがとうございます…」

「どう致しまして」

一度にっこり笑ってから、置いていた洗濯カゴを手に取り、部屋から出ようとした藍さんを呼び止め、あと一つだけ聞く。

「この部屋、俺が来る前は誰が使ってました?」

人差し指を自分の顎へ持って行き、思い出してい
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