暁 〜小説投稿サイト〜
394番目の精霊
空き缶の中から
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やばいっ....!俺はとっさに手を伸ばしたが、間に合わなかった。ああ、また買い直さなきゃ...そう思った次の瞬間、俺の心臓が3秒程止まった。えッ.........



逆のぼるは2時間前、俺の高校の始業式が丁度終わった頃である。
まあ、そこそこの学校だったし今年度も学年トップ独占といきますか!春の温かな風に包まれながら、俺は下駄箱からピカピカに磨かれた革靴を取り出す。
「おーい、亮」
校門の方から幼なじみの青哉(セイヤ)が走って来た。青哉とは幼稚園からの付き合いで、本音で語り合える良き友である。しかも青哉は留学経験のある帰国子女、その上整った顔立ちに男子の俺でも惚れてしまいそうだ。
青哉 「そんな見るなよ。気持ち悪い」
亮 「ごめんo( _ _ )o」
気まずい空気が漂い、俺はぱっと目を逸らした。そんな空気のまま、黙々と歩きつづけ、俺達は校門を出て三ツ目通りの交差点に来た。
亮 「今日俺コンビニ寄るわ」
青哉は用事があると言って、いつもとは反対の方向、三ツ目通りの右手に向かった。俺はコンビニがある三ツ目通りの左に曲がった。

緊急事態発生まであと、1:04:48


三ツ目通りを左に曲がってすぐ、お馴染みのコンビニがある。少しだけ客の出入りが少ないせいか、たまに炭酸飲料が補充されていない時がある、ほのぼのとしたコンビニだ。俺がこのコンビニに通っている理由はちゃんとある。それは品揃えの微妙さだ。ほんわかしているのは嫌いじゃないし、逆に俺にピッタリかもしれない。昨日来たときにあったアイスも、今は一つも残っていないし、(元から5個しか置いていなかった)焼鳥はじめました。の看板を置いてから一度も焼鳥が店内に売られているのを見たことがない。普通の人からしたら適当と思うかもしれないが、適当な人からしたらなかなか居心地がいいものだ。俺は店長オススメのコーヒーと店員オススメの濃厚ガトーショコラを持って、レジに向かった。
おじさん「亮君、今日も来てくれたんだね」
亮 「俺、このコンビニ好きですから」
そんなどうでもいい会話をしながら、おじさん(中野さん)はテキパキとお金を計算している。悲しいことに、ここには計算機しかない。俺が初めてここに来たときに、レシートをくれといったら、「れしーと」と書かれた紙切れを持ってきたのには流石にショックだった。(だが、もう慣れた)
おじさん「328円だよ」
亮 「じゃあ500と8円で」

お釣りを、おじさんのしわがれた温もりのある手で受け取り「れしーと」を貰った。
コンビニを右にまっすぐ行くと、桜並木がある。春真っ只中の今は満開で、お花見客がたくさんいる。真昼間からお酒をがぶ飲みしている人や、静かに桜を眺めている人、皆が皆自分の時間を自分なりに楽しんでいる。自由に、気ままに。ふと、南風が桜並木
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