13部分:第十三章
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。それは何だい?」
「疲れないのかしら」
沙耶香は問うてきた。
「疲れないのかって?」
「彼女とした後で。疲れないのかしら。どうなの、それは」
「そういえば結構疲れるかな」
亜美はその質問にも答えた。
「何かな。普通のよりずっと」
「そうなの」
それを聞いてやはり、と思ったが言葉には出すことはなかった。
「けれどそれがどうしたんだい?」
「いえ、何でもないわ。じゃあ質問はこれでおしまい」
「そうなのか」
「今の話は忘れなさい。いいわね」
「あ、ああ」
「貴女とはそのうち会うことになるかも知れないし」
立ち上がりながら言う。
「その時にまた。楽しみましょう」
「そうか。じゃあな」
「ええ、また」
かなりはっきりとした話は終わった。これで理子に対する証拠も掴んだ。紀津音と理子に対する話はこれで二つ揃った。沙耶香はこの二つを手に入れてから次の動きへと移るのであった。
亜美の楽屋を出た時にはもう夜になっていた。沙耶香は銀座のバーで一人飲んでいた。
今日もまたカクテルであった。今飲んでいるのはコーヒー=カクテル。文字通りコーヒーを使ったカクテルである。いつもの様にカウンターに座って飲んでいた。
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