気持ちのぶつけ合い
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道はそのまま河川敷に向かった。
「聞いたよ、世宇子中のこと…残念だったね」
「残念…?残念なんてものじゃない…!俺の目の前で仲間があんなことに…こんな悔しいことがあるか…!」
そんな時2人に向けて凄まじいシュートが飛んできた。
グオォォォ!
「!?」
鬼道は突如として飛んできたボールを反射的に足で止めにいく。
「く…っ!!」
バゴッ!
「こんなボールを蹴ることが出来る奴は…雷藤か!!」
そのシュートとは俺のサンダーキャノンだった。俺は密かに2人のあとを付けて来ていたのだ。
「雷藤先輩!?お兄ちゃんは別にスパイをしていたわけじゃないんです!本当です!」
「…お兄ちゃんか…来い!!」
俺は鬼道を誘い、河川敷の中央に立つと鬼道との本気のボールの蹴り合いを始めた。
「鬼道ッ!そんなに悔しいか!!」
「悔しいさ…!世宇子中を俺は倒したいッ!!」
「だったらやれよ!!」
「無理だ!!帝国は…フットボールフロンティアから…敗北したっ…!」
夕日の河川敷でボールを蹴り合いお互いの気持ちをぶつける俺たちだった。鬼道は、なんとしても世宇子と戦って、仲間の仇を取りたいと訴える。
「自分から負けを認めるのか!鬼道ォォォーッ!!」
俺はボールに凄まじい縦回転を加え蹴る。
「ライトニングアロォォー!!」
ボールは鬼道の横を通りすぎ、ぶつかった土手にはクレーターを作り上げ、ボールを破裂させる。
俺は一呼吸おいた後、鬼道に話し掛けた。
「ひとつだけ方法がある…鬼道は円堂を正面からしか見たことがないだろう?あいつに背中を任せる気はないか」
「なっ…」
俺は世宇子と戦う方法を鬼道に言い終わった後、その場をあとにした。
─────────
どよどよどよ
「そろそろ始めませんか?」
審判が響木監督に向かい話す。
「いいや、まだだ。もう一人来る」
しかし響木監督は試合を始めようとせず、じっと誰かを待っている。
「監督、いい加減にしてください!」
「もう一人もう一人って、全員揃ってるじゃないですか!」
流石の風丸と半田も響木監督に抗議をする。
「いいですか?大会規定により、あと3分以内にフィールドに出ないと試合放棄とみなされます」
「えええっ!?」
審判の言葉に心美が戸惑う。
「監督どうしたんです、誰を待ってるっていうんです!」
風丸が叫ぶ。
「お兄ちゃん副キャプテンみたいなものでしょ、監督に何か言ってよぉ!」
「良いから待ってろ…」
「もぉっ!試合放棄になっちゃうよ!」
そしてあと一分になった。
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